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元ジョッキー福永祐一氏が語る「その後の人生」。新米調教師になって変わった金銭感覚

日刊SPA! / 2024年5月24日 8時25分

◆開業までの1年間、本業では無収入

 ちなみに、技術調教師として藤原英昭厩舎に所属しようと思っていたものの、藤原調教師に「(所属した厩舎の)色がつくから、お前はフリーで行け」と言われ、所属させてもらえなかった。1年間、藤原厩舎に所属して給料をもらおうと思っていた自分としては、完全に当てが外れた(笑)。

 そのため、開業までの1年間、本業では無収入。寝るだけのために5万円も10万円も払っていられない。高いホテルに泊まるのは、トップトレーナーになってからのお楽しみとして、とっておこうと思う。

◆「バランス感覚」が自分の強み

 ジョッキー時代、特に独身の頃は、「使ったぶんだけ稼げばいい」とばかりに自由にお金を使ってきたが、もともと見栄を張るのは好きではない。

 東京は好きだが、絶対に住まないでおこうと思ったのも、身の丈にあった選択がしづらい街だと思えたからだ。滋賀県で生まれ育った自分からすると、東京は経済力も人間力もすごい人たちが集まっているという印象で、そうした人と一緒にいると、勝手に同調圧力のようなものを感じたものだ。

 たとえば金銭感覚にしても合わせなければいけないというか、むしろ自ら合わせたくなるような怖さがあって、しんどいと思うこともあった。

 そこで本来の身の丈を見失ってしまう人もいるのだろうが、自分は絶対に勘違いしないし、そのあたりのバランス感覚は持っているつもりだ。「執着がないことが自分の強み」と書いたが、この「バランス感覚」というものも、自分のもう一つの強みだと思っている。強引に物事を進めたり、どちらか一方に振りきったりすることもなく、流れに身を委ねつつも変わってこられたのは、おそらくこのバランス感覚のおかげだ。

 人づき合いにしてもそう。「お前、うまいことやってるなぁ」と馬主さんから言われるけれど、そんなつもりはまったくなく、もちろん無理をしているわけでもない。自分が好きだと思う人、面白いと思う人と一緒にいるだけなのだが、人からは「うまいことやっている」と見えるとしたら、やはり自分の中で自然と人づき合いのバランスが取れているのかなと思う。

◆「天性の人たらし」は父親からの遺伝!?

 そういえば昔、(ノーザンファーム代表・吉田勝己氏の妻である)吉田和美さんに、「あなたは本当に天性の人たらしね」と言われたことがある。もちろん、狙ってやっているわけではないし、多くの人に受け入れられたいとか、これっぽっちも思っていないのだが。

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