ランチ需要の奪い合いが激化。コンビニ業界の「意外な苦境」と、“ファミレス業界首位”の生き残り戦略
日刊SPA! / 2024年5月25日 8時53分
これは賃金上昇よりも物価上昇の勢いのほうが速いと感じている人が多いためであり、今は節約するためにスーパーやドラッグストアを活用する若者が増加しているという。逆にあまり遠くに買物に行けない高齢者が昼食時にコンビニを利用しているそうだ。
◆ファミレス店舗数No.1を誇るガストも負けていない
物価高騰や人件費の上昇に円安も加わって、低価格で快適な雰囲気の中で食事ができると高評価だったお手頃ファミレスも、値上げの連続で消費者の負担と不満は大きい。長く続いたデフレの中で、ファミレス店舗数1位のガストも相次ぐ値上げを余儀なくされ、今年4月にまた商品の6割を値上げすることを発表している。
物価高騰の中で、ガストはもはや安く提供することは困難であり、中途半端に安い店から脱却し、高付加価値の商品戦略を採用している。何もかもが値上がりする中で、外食に行ってワンコイン(500円)でランチを食べるのは無理な話になってきたのだ。
以前はファミレス最大手のガストもワンコイン(499円税別)で日替わりランチを販売していたが、筆者の近くのガストでは日替わりランチは720円税込(3段階・地域価格制)まで値上がりしている。また以前ほど集客の起爆剤的な役割だったお得な割引券やアプリクーポンも出していない。
そういう販促費も抑制したりと、利益を確保するための経費抑制策を講じているようだ。ガストの原価率は約30%と低く安定しており、これは低価格の品揃えが中心の時から原価管理技術は高く評価されている。東証プライム市場に上場し、株主の目も厳しいから、これらマネジメント能力の高さは当然か。
◆庶民の味方のガストも新たな店舗戦略にシフト
ファミレスは1食完結型の定食メニューの豊富さが特徴だが、ガストは傘下業態の強みを持ち寄り商品力を強化しており、今は居酒屋客にもアプローチ中だ。そもそもガストが、ちょい飲み客にアプローチしたのは、アイドルタイム(14時~17時)の有効活用から始まったもので、最初はその時間帯だけのお得企画であった。
そのちょい飲み企画が浸透し一定の成果が出てきて定着してきたので、内容を充実させて本格的になったようである。限られたキャパシティを有効に活用するには時間帯の集客対策が必要で、通常ランチタイムとディナータイムのピーク時のお客をいかに分散させるかが、店の売上拡大に直結してくる。
そもそも店の運営にはお客さんが、来ても来なくても必ず行う固定作業(定型業務)と来店客に応じて発生する変動作業がある。キッチンであれば仕込み、ホールであればクリンネスが固定作業だ。どうせスタッフを投入するなら固定作業だけでなく、変動作業にも対応できれば人材の有効活用になる。
この記事に関連するニュース
-
ラーメン業界“閉店ラッシュ”の中で店舗を増やし続ける「丸源ラーメン」。圧倒的な成長を可能にした強みとは
日刊SPA! / 2024年6月26日 8時53分
-
ファミレス「ジョイフル」が社員の独立を促す事情 人手不足にあえぐ外食企業が今やっていること
東洋経済オンライン / 2024年6月25日 8時30分
-
大節約時代に「コンビニに行けない」若者も…“12兆円規模”コンビニ業界が迎える難局
日刊SPA! / 2024年6月23日 8時52分
-
ハンバーガー業界で“圧倒的な差”をつけるマクドナルド。業界2位のモスバーガーに勝ち目はあるか
日刊SPA! / 2024年6月5日 15時53分
-
「月商100万円以下」では採算が合わない…零細飲食店が頑なに「モバイルオーダー」を導入しない切実な理由
プレジデントオンライン / 2024年6月1日 17時15分
ランキング
-
1福岡のこども病院でまた…パワハラで職員処分 日常的に「殺すぞ」
毎日新聞 / 2024年6月29日 8時46分
-
2小学5年生の請願、大和市議会が全員賛成で採択…市の計画に「子どもの意見反映」求める
読売新聞 / 2024年6月29日 8時23分
-
3弥彦総合文化会館で配管工事中に爆発事故 1人死亡、5人が重軽傷 新潟・弥彦村
BSN新潟放送 / 2024年6月29日 15時47分
-
4蓮舫氏が激しい雨の中で演説 熱気の聴衆はまるで香港「雨傘運動」のよう
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月29日 9時26分
-
5両陛下、英国公式訪問からご帰国 国賓として多くの行事臨まれる
産経ニュース / 2024年6月29日 18時37分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)