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“発達障害専門”のフリーペーパーが創刊から部数3倍に。編集長に聞く「当事者だからわかる」成功の秘訣

日刊SPA! / 2024年5月29日 15時52分

“発達障害専門”のフリーペーパーが創刊から部数3倍に。編集長に聞く「当事者だからわかる」成功の秘訣

発達障害に特化したフリーペーパー『凸凹といろ。』の編集長ゆーさん(撮影/astrobox 柳勢里香)

 2019年に刊行された学会誌『日本公衆衛生雑誌』に掲載された「発達障害に対する成人の認知および情報源に関する現状」という調査(2016年)によれば、発達障害を「聞いたことがある」と回答した者の割合は91.5%。
 発達障害の認知度は極めて高いものとなっている。一方、その実態については学校やニュースで知る程度で深くは知らない人も多いのではないだろうか。発達障害に特化した『凸凹といろ。』というフリーペーパーがある。

 2023年2月に創刊された年4回刊行の季刊誌で、現在の発行部数は創刊から3倍近く増えた約6000部にのぼる。大阪在住のフリーランスのデザイナーである“ゆーさん”(35歳)が、企画、デザイン、編集と一連の作業を自前で手掛ける。どのように人気を集めていったのか本人に話を聞いた。

◆「典型的な発達障害ですね」と診断

 そもそもゆーさんも発達障害当事者の一人だ。最初に症状を自覚したのは20代の頃だったという。

「20代に入ってすぐに、頭が悪いわけじゃないと思うのに、なんでこんなに勉強できないんだろう?人付き合いが上手くできないんだろう?とか悩んでいたんですよ。一人暮らしの時は家の中がゴミ溜めのような感じでした」
 
 ほどなくして、病院で発達障害と診断されたという。

「当時mixiが流行っていて、日々の悲しい出来事とか思いとかをいろいろ投稿してたんですよ。それをキャッチしたのか、発達障害に関する広告がよく出てくるようになったんですよね。『朝起きられない』『人を怒らせてしまう』とか、そういう障害があるのを知って、病院に行ってみると『典型的な発達障害ですね』と言われました」

◆フリーペーパーにしたのは「医療施設に置いてもらえるから」

『凸凹といろ。』発刊のきっかけは2022年、自身が運営しているLINEのオープンチャットだったという。

「オープンチャットで発達障害のコミュニティを運営していて、現れたのが大阪に発達障害カフェバーをオープンしたいという男性だったんですよ。同じ大阪でそういう居場所を作ってくれるのが嬉しくて、仲間意識が芽生えました。でも『DDbugs』という店名でオープンして1か月くらい経った頃から、お客さんが来ない日が出てきてしまったんです。それで宣伝を考えたときに、自分がかねてからやりたいと思っていたフリーペーパー発行を思いついたんです」

 ほかにもフリーペーパーを選んだ理由として「“読み物”や、“情報”として人が読んでくれるし、設置場所もそのつもりで置いてくださるからだ」と述べる。

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