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山﨑賢人は“トム・クルーズ以上の俳優”ではないか。「スターでい続けられる理由」を考察

日刊SPA! / 2024年6月3日 8時51分

『オオカミ少女と黒王子』での神戸の疾走はもちろん、表情が際立つバストショット、手元アップの細部まで、画面サイズに合わせてその都度、神経を張り巡らせ、感覚を研ぎ澄ませる。完璧にフレームに収まる人である山﨑は、トム・クルーズ的なスター俳優の系譜だといえるし、もしかするとこの先、トムのようにプロデューサー(製作)として主演作でクレジットされることがあるかもしれない。

◆実写化俳優が完全カムバック

2028年まで出演作品がうまっている山﨑が、なかなか民放のテレビドラマ作品に出演できないという問題もある。2018年放送の『グッド・ドクター』以来4年ぶりの主演ドラマとなった『アトムの童』(2022年)以降、まだテレビドラマ主演作の製作発表はない。映画俳優として映画を優先するのは当然だし、是非そうしてほしいとも思うが、でも欲を言えば、やっぱり映画と並行してほしい。

『好きな人がいること』(フジテレビ系、2016年)以来、きらっきらの「夏だ!海だ!」ドラマの傑作が生まれていないんだもの。『オオカミ少女と黒王子』で全力開放したリアリズム志向の持ち味を生かし、湘南の陽光と潮風を全身に浴びた同作の山﨑に対してぼくは、イタリア映画界の巨匠マルコ・ベロッキオ作品を引き合いに出したほどだ。映画界が手放すわけない。事実、次なる実写化時代を告げる『キングダム』シリーズが用意されることで、第1作公開(2019年)から怒涛のシリーズ化によって2020年代に突入した。

実写化不可能といわれた原作だからこそ、実写化俳優の完全カムバックを物語る。これまたシリーズ作品『ゴールデンカムイ』(2024年)第1作では、不死身の戦士役で湯船からざぶっとあがり、雄々しい肉体を露わにする。2010年代に実写化王子と呼ばれた山﨑ではなく、2020年代仕様にアップデートされた実写化俳優の堂々とした姿があった。というか、ここまで複数のシリーズ作を掛け持つ状態で完全燃焼しても燃え尽きず、次の作品に挑めるバイタリティは尋常じゃない。もはやトム・クルーズ以上では?

◆決め台詞「そう、あなた方と違ってね」を噛み締める

『ゴールデンカムイ』の湯船シーンが象徴するように、山﨑は10キロの増量で撮影にのぞんだ。その一方、翻って公開中の『陰陽師0』では、逆にかなり線の細い立ち姿が印象的だ。狐の子といわれた安倍晴明を演じるからにはどこか人間離れしていなきゃならない。青年期の晴明の身のこなしは軽く、陰陽寮から逃走する場面では、着物の袖とのけ反るアクロバティックな動きでさすがのアクション・シーンだ。

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