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ハンバーガー業界で“圧倒的な差”をつけるマクドナルド。業界2位のモスバーガーに勝ち目はあるか

日刊SPA! / 2024年6月5日 15時53分

 一方のモスバーガーは2024年4月末日時点で、総店舗数1341店(直営6店、FC1268店)となっており、海外は451店展開している。

 そもそも経営リスクはFC加盟店が取り、本部は毎月の安定した固定費としてもらうといったビジネスモデルになっている。他社の経営資源を活用しながら店舗数を維持拡大できて、スケールメリットも享受できる。本部は労務管理を含めて店舗マネジメントの負担を軽減できるから、効率経営を実現できることになっている。

◆好立地のマクドナルド、不便な立地のモスバーガー

 マクドナルドの売上利益のほとんどは、FCへの不動産の賃貸料・リース・売上に対するロイヤリティである。一方、モスバーガーは最初からFCビジネスを想定したパッケージモデルを開発していたからほとんどがFCである。

 好立地のマクドナルド、不便な立地のモスバーガーとも言われている。マクドナルドはコストリーダーシップ戦略で、低価格で販売シェアを高めても確実に店の利益が確保できるようにしており、ロスリーダー的商品の販売で顧客吸引力を高めて、利益率の高いセット商品などで確実に利益が確保できるようにしている。またそういったことが可能になるよう合理的な体制を整備している。

 モスバーガーは家賃が安く、固定費の負担が小さくて、加盟店オーナーが儲かる仕組みを提供し、経営理念共同体として確立していた。

 以前、某チェーン店がリーダー企業が値下げして売上を急伸したのを見て、それに追随しようと合理的基盤が確立できていないのに、単に値下げした追随型ディスカウント戦略を展開し、経営が苦しくなった事例があった。単にその場しのぎの追随戦略はするべきではない。

◆外食売上1位と経営の考えが全く違う!

 現在の外食売上ランキング1位はゼンショーだが、その座を明け渡す前のトップはマクドナルドだった。マクドナルドは、直営店中心の運営をFC事業中心に変更し、売上至上主義から利益至上主義に転換した。

 計画的な売上抑制であるマクドナルドの売上は、1位ゼンショーの半分以下の3819億円だが、営業利益は408億円で10.7%と2桁以上の高収益率である。経営路線の変更が如実に数字に表れている。

 ゼンショーグループは外食売上ランキング首位で、多種多様な業態を傘下に持つ外食最大手である。M&Aを駆使した成長戦略で、連結売上7799億円、総店舗数1万283店舗、傘下に19ブランド(2023年3月末時点)を保有する規模を誇っている。収益性は営業利益217億円、営業利益率は2.8%となっている。

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