松本潤、西島秀俊etc.「大物俳優の独立」が止まらないワケ。背景に“稼げる交渉人”の増加も
日刊SPA! / 2024年6月6日 8時50分
◆所属事務所を離れるのは“お金”のため?
俳優の独立が続く。今年に入ってから5月末までに「嵐」の松本潤(40) 、西島秀俊(53)、多部未華子(35)、黒木華(34)、田中哲司(58)らが、所属芸能事務所を離れた。
「独立はお金のため」とよく言われるが、大手芸能事務所幹部A氏は「それは芸能界の外側にいる人の見方。一線の俳優が独立する場合、お金が目的という人はごく少数。一線の俳優は既に稼いでおり、独立したからって収入が大きく増えるとは限りませんから」と言い切る。
お金のための独立が多いのは若い俳優だ。いくら稼ごうが給料を数十万円に抑えられているからである。
「そもそも個人事務所が増えた理由を考えるとき、大きなことが抜け落ちてしまっています」(A氏)
抜け落ちている大きなこととは、腕利きのエージェント(交渉人)の出現。米国では当たり前の仕事だが、日本では5年前程から徐々に増えてきたという。今は大手芸能事務所・田辺エージェンシーの元有力幹部らもエージェント業を行っている。エージェントはフリーで活動し、複数の俳優と契約する。そして、その俳優に向いた良い仕事を探す。ときには売り込む。話がまとまったら、本人と相談の上、今度はギャラなど諸条件の交渉をする。
「待っているだけで良い仕事が来るほど芸能界は簡単ではありません。ドラマ、映画の先々の制作情報すら得にくい。しかも金銭面などの交渉は経験を積んでいないと難しいです。腕の良いエージェントは、契約している俳優にとってプラスになる仕事を見つけ、しかも最良の条件を成立させます。優秀なエージェントが現れたから、俳優は独立しやすくなったといえるでしょう」(前同)
◆独立=収入アップとは限らない
また、やはり芸能界内にいないと分からないのが独立に伴うコスト。
「個人事務所を普通に運営すると、デスクと称する事務員、経理担当者、現場マネージャー、運転手が欠かせません。そのうえ事務所の家賃も掛かるから、ランニングコストが毎月200万円前後はかかる計算です」(前同)
コストがあるので、独立が収入の大幅アップに直結するとは限らないのだ。2020年に大手芸能事務所のオスカープロモーションから独立し、個人事務所「Desafio」を設立した米倉涼子(48)が、「(事務所の運営は)大変」と、ボヤいたのは芸能界ではよく知られた話だ。
それでも一線の俳優が独立するメリットは、「活動の自由度が飛躍的に高まること」(大手芸能事務所幹部B氏)という。
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