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東大を出たのにすぐに辞めた新入社員「東大合格を目標に人生を送ってきたから」

日刊SPA! / 2024年6月14日 8時52分

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※写真はイメージです

高学歴として知られる東京大学だが、社会的に成功する卒業生ばかりではない。筆者(綾部まと)はメガバンクで総合職として8年間勤務し、数多くの東大卒を見てきた。彼らは「頭取は東大か慶應」という暗黙の了解があった学歴社会で出世しやすく、数字に強いため優れた成績を残すことが多い。
しかし中には、せっかく就職したにもかかわらず、すぐに辞めてしまう人もいる。それどころか、東大以外の大学を出た者ですら選ばないような、アッと驚く道を選ぶ者もいた。今回は彼らと周辺にいた人たちのエピソードを紹介する。

◆①東大からメガバンクに入り、三ヶ月で退職

東大法学部を卒業したAさんは、新卒でメガバンクに就職。しかし異例の三ヶ月で退職をした。

「僕は支店配属だったので、辞める際はまず指導担当者に伝えました。次に課長と面談して、支店長と面談して、最後に人事部との面談になりました」

面談の回数は行員によりけりだ。ちなみに東大卒でない筆者が退職願いを出した際は人事部との面談はなく、引き留めもなかった。市場価値の高い東大卒の人材を確保するために、銀行側も躍起になるのだろう。

「人事部からは、ものすごく叱られました。『面接では海外で活躍したいと言っていたのに、あれはウソだったの?』『これって契約違反じゃないかな』『お母さんはどう思うだろうね』と、あの手この手を使って会議室で、長時間にわたって説得を試みられました」

退職されることは、人事部にとってマイナス評価をされてしまう。支店にとっても痛手である。すぐに人員が補充されるわけではないし、人数が減ったからといって、目標の数字を減らしてもらえるわけでもないからだ。

人事部の説得を跳ねのけたAさんだが、思いがけないところで更なる障壁が立ちはだかった。

◆号泣する母親を残して、インドで“自分探し”

「僕は中学から私立に行っていたこともあり、専業主婦の母から愛情もお金もかけて育てられたことは理解していました。だから母に泣かれた時が、人事部に軟禁された時よりも辛かったですね」

しかし、Aさんの決意は揺らがなかったらしい。大学の頃にボランティアで発展途上国へ行ってから、“世界の貧困をなんとかしたい”と思い続けていたからだ。

「銀行で働いている間は、配属された店が華やかな業界が多かったこともあり、これは違うなと思っていました。母には危ないことはしないという約束をして、ようやく説得できました」

行き先はインド。しばらくは孤児院を訪れたり、ガンジス川に浮かんでみたりして、日々を過ごしていたという。しかし……

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