51歳で出合ったライターという“天職”。50代の新人が“前職のスキル”を活かして売れっ子になるまで
日刊SPA! / 2024年6月14日 8時58分
吉村さんの目に留まったのは、「そろそろライターを募集しようかな」という投稿。投稿主は、NTTレゾナントが運営する『いまトピ』の編集者だった。
「公式募集ではなく単なる個人のつぶやきでしたが、すぐに『記事の企画書を書いたから見てほしい』とメールを送り、編集者に会いに東京まで行きました。ラッキーだったのが、ネット界の超大御所が初めての担当編集者になってくれたことです。『僕が見た秩序』という有名な個人サイトを運営していた吉永龍樹さんと、『探偵ファイル』の7代目編集長だった大住有さん。知る人ぞ知るふたりです」
古くからインターネットに触れている人なら、一度は聞いたことがあるだろう有名サイト。そんな大物相手に、吉村さんはいくつかの企画を提案した。そして採用されたのが、京都にまつわる取材企画だ。
◆放送作家時代のボツネタをフル活用
「“京都のもうひとつの一面”を取り上げる企画を出したら、『関東の人間は京都について詳しくないから、毎週やってほしい』と言われました。初仕事で、いきなり週1〆切です。でも、放送作家時代のボツネタを山ほど抱えていたので、全部ここで使えるなって思ったんですよ。京都に住んでいる非常に変わった人物、変わったお店、京都在住の著者さん。そういった、寺社仏閣や観光以外の京都ネタをいっぱい持っていたんです」
一風変わった京都ネタを毎週取材して書いていくうちに、いくつかの記事がバズを生んだ。
「放送作家時代にボツにされたネタだったので、『ほら見ろ! 今までテレビでボツにしやがって! バズるネタやないか!』って勝利を味わった気分でした(笑)」
実績を重ねるうちに、次へのステップが訪れる。あちこちのメディアから執筆依頼が届くようになったのだ。
「リクルートを皮切りに、いろんなWebメディアから声がかかるようになりました。取材できるライターが枯渇していた頃だったので、僕のように毎週取材しているライターは貴重だったのかもしれません。オファーをただ待つだけでなく、書いた記事を実績として営業をかけていく。それを繰り返して今に至ります」
◆ミドルエイジからの転職に不安は?
“書ける場所”との出合いを逃さないよう、ライター募集の情報チェックは毎日欠かさず行っているという。
「たとえ体調が悪くて何もできない日があっても、企画書だけは毎日書いて、『このメディアならハマる』と感じたら送っていますね。ライターを始めたとき、何があっても企画書だけは書き続けようと決意していたんです。これが今の生活や仕事のあり方にもつながっています。だから、まだ世に出していない企画がいっぱいあるんですよ」
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