「東京を衰退させる気か」は見当違いの指摘。石丸伸二氏が明かす、安芸高田市長を辞職して都知事選に出馬するワケ
日刊SPA! / 2024年6月15日 8時49分
7月7日の東京都知事選で、165万票を獲得して2位に躍進した石丸伸二氏。選挙戦略やマスコミ対応などネット上では賛否がわかれ、一躍全国区となったが、その手腕は安芸高田市長時代から変わらない。その石丸流「思考法」を本人が明かす(以下、石丸氏の寄稿)。
◆都知事選と多極分散
5月20日、私は安芸高田市議会の議長に「6月9日付けで辞職する」旨を記した退職申出書を提出しました。これで私は6月10日には“ただの人”となり、20日告示の東京都知事選候補者として準備を進めることになります。出馬表明会見でも話したとおり、私にとって都知事選は、東京の発展を促すと同時に安芸高田市も含む地方の衰退を食い止めるための戦いです。
出馬を検討し始めたのは半年ほど前でした。市長を務めるなか、市単体で衰退の道から抜け出すのは難しいと痛感したことが背景にあります。
人口戦略会議の分析レポートにもあるとおり、今後、全国の4割の自治体は消滅が懸念されます。これを「消滅可能性自治体」と言います。そのなかに安芸高田市も含まれています。
日本の人口は向こう20年で約1300万人も減少すると予測されています。これは、ほぼ必ず訪れる未来です。少子化によって、これから成人して結婚して子宝に恵まれる可能性のある人の数自体がすでに減少しているからです。
その未来に向けて少しでも早く“受け身”を取れるようにしなければならない。だから、安芸高田市長を続けるのではなく、都知事選に挑戦しよう、いや挑戦しなければならないと考えたのです。
都知事選に向けて私が掲げるのは「多極分散」の実現です。SNS上では「東京を衰退させる気か」という声も上がっていましたが、それは見当違いの指摘です。
なぜなら、東京が抱える課題の多くは一極集中が招く過密に原因があるからです。過密を解消すれば「世界で一番住みやすいまち」が実現できると考えています。
逆に、放っておけば東京の人口は’40年まで増え続け、絶えず過密へ対処するための投資が行われます。しかし、’40年を境に、そうした投資はムダになっていきます。
東京の課題を解決するために、地方とコミュニケーションを取りながらヒト・モノ・カネのリバランスを進める。これが基本方針です。リモートで仕事ができる時代に必ずしも本社機能を東京に置く必要はなくなっています。私が勤めた銀行も含めて3大メガバンクの本社はすべて千代田区にありますが、そこまで密集させる必要が本当にあるのでしょうか? 災害などのリスクを考えれば、むしろ分散すべきです。民間企業とも協力し、こうした過密の解消に努める。そうすることで満員電車や道路の渋滞、待機児童も解消され、首都の経済は効率化されるのです。
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