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元自衛官の女性が定年後、“BL専門”の漫画喫茶を開業したワケ「男性どうしが自由に愛しあえる世の中に」

日刊SPA! / 2024年6月27日 15時51分

 年齢や性別の制限なく、誰もが楽しめる場所としてBL漫画喫茶を開いた彼女。つけたキャッチフレーズは「大阪腐民の森」だ。

◆「なぜ男どうしの恋愛は不幸にならなきゃいけないの?」

 とぢこさんのBLへの目覚めは、小学生時代にまでさかのぼる。

「小学3年生から腐民でした。友達の家にあった竹宮恵子先生の『風と木の詩』と山岸涼子先生の『日出処(ひいづるところ)の天子』を読んで衝撃を受けたのがBLに興味を抱いたきっかけです。それ以来、“耽美派”(たんびは)と呼ばれた少年愛の要素がある漫画を読み漁るようになりました。“やおい”という言葉もまだない時代でしたね」

 日出処の天子を愛するあまり、法隆寺に何度も通っては男性どうしのランデブーに想い巡らせた。おかげで飛鳥時代限定だが、日本の歴史にとても詳しくなったという。さらに女性向けの男性同性愛専門誌『ALLAN』(アラン)や『JUNE』(ジュネ)にも触手を伸ばしているから早熟である。

「ただ、当時のBLって、ほぼすべてがバッドエンドだったんです。禁断の愛に触れて堕ちてゆく結末ばかり。それが子ども心に胸糞悪かった。『なんで男どうしが愛しあうと不幸にならなきゃいけないの? もっと自由に恋愛ができる世の中になればいいのに』って小学生の頃から憤っていましたね」

 中学校へ進学以降、関心は現実の美少年へと拡がってゆく。

「本田恭章さん(日本のヴィジュアル系のパイオニアとして語り継がれるギターヴォーカリスト・俳優)に夢中になり、その後、hydeさん(L’Arc〜en〜Ciel)の追っかけをするようになりました。熱がまったく冷めないまま現在に至ります」

 ぢゅあんが開店した1月29日は、実はhyde氏の誕生日。この日を開店記念日にしようと、必死で間に合わせたという。

◆自衛隊でのストレスをゲイバーで解消

 多感な学生時代を過ごしたとぢこさんは23歳で海上自衛隊に入隊。広島にある呉(くれ)地方隊に配属され、寮生活を送ることとなる。自衛隊を志望するとは、この国を護りたい気持ちや、愛国心があったのだろうか。

「実は……なかった(苦笑)。父が自衛官をやっていて、いつも私に『自衛隊のカレーの肉はデカいぞ』と話をしてくれていたんです。そのカレーが食べたいなと、ずっと思っていて。そんなまぬけな理由で受験したのに合格しちゃったんです」

 動機がユルかっただけに、隊での暮らしはことのほか厳しく感じたという。

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