1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

元外資系航空部長が“見知らぬ土地”でゲストハウス経営者になったワケ「退路を断ってみるとホッとした」

日刊SPA! / 2024年6月28日 15時52分

◆発達障害の子どもに対するオーストラリアの教育

「例えば、一人ひとりにカスタマイズされた教育を行っていましたね。この子はこれを持っていたら安心する、じゃあ授業中ずっとこれを持たせていようとか。日本では『ここは学校だよ』ということで難しいでしょうね。結局、発達障害の子どもたちというのは得意なことと苦手なことのギャップがすごく大きいんですけど、日本は平均を求めようとするので。オーストラリアで見たのは、数学しかできない子どもがいたんですよね。障害児のクラスにいるとお漏らしをしてしまうけど、数学の授業の時間になると上の学年のクラスに席を置いてくれて、先生もついていてくれる。その点、日本だと教員の数だったり、教員の障害に対する理解度だったりさまざまな問題がありますよね」

 そう語る石田さんだが、「日本も少しずつ変わってきているのでは」と希望を見出している。

「自治体によっては、ユニークな子どもたちへの教育に特化するところも出てきているみたいですね。あるご家族が名古屋の都市部から山のある地域へ引っ越されたんですけど、そこでは子どもの通学からサポートしてくれているみたいですね」

 障害者への純粋な思いから創業に至った石田さんだが、実際に障害のある子どもを持つ親から起業について相談を受けることもあるという。

◆障害のある子どもを持つ親からの相談も

「子どものために起業を目指しているお父さんとか、3人くらい相談に見えましたね。子どもと一緒に働きたいと。そういったお話を聞くと僕も事業をやっていた甲斐があるなと思いますし、一緒に仕事できたらいいなと思いますね。まあ、起業するのは大変ですけどね(笑)」

 福祉分野での起業を目指している人に向けて参考になるかもしれないと、石田さんがどのように事業を展開してきたのかを改めて聞いてみた。

「ラッキーだった部分も大きいですね(笑)。会社を辞めて、まず東京都大田区の創業支援施設にオフィスを構えることができたんですよ。そこで事業は宿泊業で、発達障害者の雇用を創設して……というのをプレゼンしたら、大田区のビジネスプランコンテストに入賞したんですね。僕も当時何が起こっているのかわかってない部分もあったんですけど、入賞によって賞金を10万円もらい、さらにいわば大田区の“お墨付き”のような形になって、銀行の融資の話も通りやすかったです。本当、偶然が偶然を呼んだようになって、流れがよかったんですよね」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください