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2024夏ドラマ“見逃したくない作品”5選。「期待度の高い社会派ドラマ」が揃いぶみ

日刊SPA! / 2024年7月3日 15時50分

 香苗が清家自身の取材に行ったところ、鈴木は清家の秘書になっていることが分かる。今も清家を全面的に支えている。というより、清家には主体性がなく、まるで鈴木に操られているようだった。ロシア人形のマトリョーシカには内部に別の人形がいくつも入っているが、清家の内側にも鈴木ら複数の人間が棲みついているのか。

 物語の冒頭では鈴木と接触を図っていた香苗の父親で元新聞記者・道上兼髙(渡辺いっけい)が不審な交通事故死を遂げる。兼高は鈴木の実父で不動産会社社長の宇野耕介(河野達郎)が贈賄容疑に問われた28年前のBG株事件をスクープした。この事件を兼高は調べ直していたらしい。

 BG株事件は値上がり確実の未公開株が政治家と官僚に賄賂としてばらまかれたものだが、なぜか政治家からは逮捕者が出なかった。罪を押し付けられる形となった宇野は裁判が始まる前に亡くなる。自死とされた。鈴木は父親を死に追い込んだ政治家たちに対し、清家を操って復讐しようとしているのかも知れない。

 清家の後援会長で日本料理店経営者の佐々木光一(渡辺大)の存在も気になる。佐々木も同級生で、生徒会副会長を務めていた。

 清家、鈴木、佐々木の3人が不気味なのは、長く濃厚な人間関係でつながっていながら、友情が感じられないところ。歯ごたえのある硬質の作品になりそう。原作者の早見氏は清家という男を書くとき、櫻井を思い浮かべていたという。

◆『海のはじまり』
(フジテレビ・月曜午後9時)7月1日スタート

 聴覚障がい者と健常者の恋を描いたフジ『silent』(2022年)の脚本を書いた生方久美氏(31)の作品。プロデューサーも村瀬健氏(50)で一緒。今度は7年前に別れた恋人が、知らぬ間に自分の子供を生んでいた男の物語である。

 主人公で印刷会社に勤める月岡夏(目黒蓮)は年上の同棲相手・百瀬弥生(有村架純)と幸せに暮らしていた。しかし、1本の電話が人生を変える。

 大学時代に交際していた元恋人・南雲水季(古川琴音)の死を電話で知った。葬儀に駆け付けると、水季には海(泉谷星奈)という子供がいたことが分かる。夏の子供だった。

 水季は夏と別れる直前、中絶の同意書へのサインを夏に求めてきた。その後、2人で病院へ。夏は中絶したと思い込んでいたが、水季は秘かに出産していた。水季はそのまま大学を去り、夏には一方的に別れを告げた。

 行間があり、観る側に考えることを要求する作品。夏は中絶の同意書へのサインを求められたとき、「結婚しよう」「一緒に育てよう」とは口にしなかった。水季の意思を優先するとして、さほど躊躇せず、書面にサインした。それが結果的に水季を失望させ、シングルマザーになる決意をさせたのか。

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