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2024夏ドラマ“見逃したくない作品”5選。「期待度の高い社会派ドラマ」が揃いぶみ

日刊SPA! / 2024年7月3日 15時50分

 突然のことに夏が戸惑うのは分かるが、彼に憎悪の目を向けた水季の母親・南雲朱音(大竹しのぶ)の気持ちも痛いほど理解できる。世代や立場によって登場人物に対する思いが異なる作品になるのだろう。

 第1回の時点では古川琴音が出色。傍目には強いのだが、本当は脆い人がよく似合っている。

◆『GO HOME~警視庁身元不明人相談室』
(日本テレビ・土曜午後9時)7月13日スタート

 メーン脚本家は、TBS『半沢直樹』(2013年、2020年)や同『VIVANT』(2023年)を書いた八津弘幸氏(52)。主演は小芝風花(27)が務める。

 タイトルに「警視庁」とあるが、盆百の刑事ドラマではない。かといって荒唐無稽な物語でもない。身元不明人相談室の捜査官・三田桜(小芝)と同じく月本真(大島優子)が、名もなき遺体の身元を突き止め、死の真相も解き明かすという筋書き。

 第1回では中学校の理科室に置かれていた人体骨格模型が、本物の人骨だと分かる。鑑定の結果、20代後半から30代の男性のもので、約1年前に死んでいた。調べを進めると、理科担当で標本マニアの教師が、東京・奥多摩の山中から遺体を勝手に持ち出し、薬品を使って白骨化したことが判明する。

 教師によると、白骨は自ら崖から飛び降りた男性のものだという。身元も分かった。ところが妻は夫であることを否定し、白骨を引き取ろうとしない。さて、真相はどこにあるのか? 

 身元不明人相談室の室長・利根川譲治役で吉田鋼太郎(65)、公安部出身の相談室捜査官・堀口尚史役で戸次重幸(50)らが共演。大島も含め、演技派たちが小柴を支える。

◆『素晴らしき哉、先生!』
(テレビ朝日系・日曜午後10時)8月18日スタート

 俳優として成長著しい生田絵梨花(27)の初主演連続ドラマ。演劇界で名高く、俳優でもある宅間孝行氏(53)が脚本と演出を兼務する。制作は大阪のABCが行う。

 生田の役柄はZ世代の高校教師・笹岡りお。採用2年目だが、早くも退職を考え始めていた。夢と希望を胸に教師になったものの、教育現場は理不尽なことに満ちていたからだ。生徒は自由を拡大解釈し、奔放に振る舞う。保護者は学校に過度な期待を寄せる。古参の教師たちは面倒なトラブル処理を若手に押し付けた。

 軽くて明るいだけの学園ドラマにはならない。最近では珍しい現実味に溢れた教育ドラマになりそう。りおのキャラクターも現実的だ。日々の愚痴をSNSの裏アカウントに吐き出したり、彼氏の大友聖也(小関裕太)に聞いてもらったり。かつての聖職者のイメージはない。

 それでも、りおは我慢し切れなくなり、ついに辞めることを決意するが、そのタイミングで3年C組の担任を命じられる。担任を持つのは初めて。りおは断れなかった。さて、どうなるのか。

 教育ドラマは生徒のキャラクターを浮き彫りにしやすくするため、1クラスを20~30人にとどめることが多いが、今回の3年C組にはしっかり37人いる。沢井谷玲奈役の茅島みずき(19)、南田健吾役の鈴木仁(24)たちである。ここにも現実味を感じる。

 すべて見終えたあとには「素晴らしきかな教師という職業」という思いになるのか。

<文/高堀冬彦>

【高堀冬彦】
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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