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時価総額で世界一「エヌビディア」は半導体バブルなのか?“今が買い時なのか”を検証する

日刊SPA! / 2024年7月8日 8時51分

 こうした半導体の歴史を振り返るだけでも、常に業界のトップ企業は入れ替わり続けていることが分かります。つまり、エヌビディアも今後どこまでそのシェアをキープし続けるかは分からないことを意味していると筆者は考えます。

◆エヌビディアに想定されるリスクとは

 現在、エヌビディアはAIブームの中心であり、そのGPUはAIトレーニングと推論において不可欠な存在となっていますが、エヌビディアの最新決算報告書によると、データセンター収益の約40%が推論需要、約60%がトレーニング需要を占めています。この数字を見れば、企業の生成AI導入はまだテスト段階であり、トレーニング需要が大きい状況にあることが見えてきます。

 そもそもAIモデルの開発において、大規模化と効率化の2つのトレンドがあり、一部の企業はモデルの大規模化を追求し続けていますが、他の企業は効率性を重視し始めています。

 これにより、特にトレーニング需要が今後減少する可能性があります。またオープンソースのAIモデルの台頭により、APIの価格競争が激化し、エヌビディアの市場シェアに影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

 さらに、エヌビディアの競合となるAMDやインテルもAI市場でのシェア拡大を狙っています。AMDは最新のMI200シリーズGPUでエヌビディアに対抗し、インテルも生成AI学習に向けたAIアクセラレーターの強化を続けています。これにより、将来的にエヌビディアの市場シェアが奪われる可能性もゼロではないのです。

◆海外アナリストの見解もバラバラ

 2024年の世界のAI市場規模は5000億ドルに達することが予想されています。しかし、この成長は一部の大手企業に集中する可能性が高く、市場全体の成長が鈍化するリスクも存在します。

 エヌビディアのトレーニング需要が減少すれば、大手クラウドプロバイダーの設備過剰が発生し、AI投資が凍結される可能性もあります。これにより、エヌビディアの売上が減少して株価が下落するリスクが考えられるでしょう。

 その一方、エヌビディアはAIトレーニング需要の減少に備えて、エッジAIや自動運転車、ヘルスケア分野への進出を強化しています。また最新のGPUアーキテクチャ「Hopper」を2022年に発表し、性能向上と効率化を図っています。これにより、新たな市場での成長を虎視眈々と狙っているのも事実です。

 エヌビディアのCEOであるジェンスン・フアン氏は「我々はAIの未来を見据え、新たな市場への投資を続ける」(GTC 2024での発言)と語っているように、エヌビディアが今後もさらに事業成長を続ける可能性もあるでしょう。

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