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時価総額で世界一「エヌビディア」は半導体バブルなのか?“今が買い時なのか”を検証する

日刊SPA! / 2024年7月8日 8時51分

 その一方、市場アナリストによっては「エヌビディアは短期的には成長を続ける可能性が高いが、競合の台頭や市場の変動に注意が必要」という趣旨の発言したり、反対に「エヌビディアは新たな市場への進出を強化しており、長期的な成長が期待される」という趣旨の意見を持つアナリストも存在します(ブルームバーグ「エヌビディア、ばらつく成長予想が将来の不安材料-カイザー」2024年6月25日)。

 つまり、現段階ではエヌビディアの将来性について、海外アナリストの意見が分かれていること知っておくことが、とても重要ではないでしょうか。なぜなら、保有株の中でも多くの利益をもたらしている株に対しては、誰もが反対意見を軽視しがちになるからです。

◆エヌビディアだけでなくTSMCにも注目の理由

 エヌビディアの成功は、その製品の性能だけでなく、半導体製造のパートナーであるTSMCの製造能力にあることも注目です。TSMCは、エヌビディアの最新GPUの製造を担当しており、その高度な製造技術がエヌビディアの競争力を支えています。

 熊本にも進出して日本でも有名になったTSMCは、世界最大の半導体製造ファウンドリであり、その技術力と生産能力は業界をリードしています。エヌビディアのGPUだけでなく、アップルやAMDなど、多くの主要な半導体企業がTSMCの製造技術に依存しています。このため、エヌビディアに投資する際には、TSMCの動向にも注目することも重要になるでしょう。

 またTSMCは、5nmや3nmなどの先進的な製造プロセスを開発し、エヌビディアのGPUに高性能と省電力性をもたらしています。これにより、エヌビディアは他の競合製品と比べて優れた性能を提供できるのです。

 またTSMCは投資という観点からも安定感があります。なぜなら複数のメーカーから受注しているため、1社の事業成績に左右されにくいビジネスモデルを持っているからです。特に投資家の場合、半導体の明るい未来に投資はしたいけれど、個別株に依存したくない場合、TSMCは面白い存在となるでしょう。

◆おわりに:バブルの渦中にいるとバブルに気づかない

 誰もがバブルの最中にいるとき、その状態がバブルであると気づくことは難しいものです。歴史を振り返ると、1980年代の日本のバブル経済や2000年代初頭のドットコムバブルの際も、投資家たちはその熱狂の渦中にあり、後から振り返って初めてバブルだったと認識しました。

 つまり、エヌビディアの現在の株価上昇も同様に、多くの投資家がAIの未来に対する過度な期待を持っている可能性があります。この期待が現実と乖離している場合、バブルの崩壊が起きるリスクは高くなるのです。

 終わらない上昇相場というものが存在しないことを踏まえて、今こそさまざまなシナリオを想定しておくことが投資家として重要な態度ではないでしょうか。少なくとも、エヌビディアホルダーである筆者自身はこのように考えています。

<TEXT/鈴木林太郎>

【鈴木林太郎】
金融ライター、個人投資家。資産運用とアーティスト作品の収集がライフワーク。どちらも長期投資を前提に、成長していく過程を眺めるのがモットー。 米国株投資がメインなので、主に米国経済や米国企業の最新情報のお届けを心掛けています。Webメディアを中心に米国株にまつわる記事の執筆多数
X(旧ツイッター):@usjp_economist

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