「しゃぶ葉」がしゃぶしゃぶ食べ放題で“絶対的な存在感”を誇るワケ。グループ内でも筆頭成長株
日刊SPA! / 2024年7月10日 8時52分
しゃぶ葉もクルー(アルバイト)中心の運営だが、すかいらーく傘下だけに厳格な管理がされている。飲食店経営は製造業と小売業の融合事業である。したがって、客数(新規客の誘致・既存顧客の来店促進)の伸び、客席回転率などの効率性、経費の大部分を占めるFLコスト(原価と人件費)、サービス評価などKPI(重要業績評価指数)の管理精度を高めることが重要だ。
特に人件費管理においては、正社員とクルーの時間による総労働時間を予測時間帯別売上に応じて適正に投入し、人時生産性を徹底管理している。もちろんセントラルキッチンの稼働率を高めて生産性を向上させることも忘れてはいけない。そして店舗では、最小限の作業で料理提供できるように業務の効率化がされている。
飲食店では60%以内に抑制することが重要になっているFLコスト(原価+人件費)。原価率をうまく低減させてもその分、人件費がかかっては利益が出ない。食材の共通化や半加工品をうまく活用し、食べられるメニュー数を増やして魅力度を向上させながら、原価と人件費を低下させているようだ。
◆昔、しゃぶしゃぶは高級料理
昔、しゃぶしゃぶは、高級料理的な存在で、家庭で食べる機会はほぼなく、お店に行くとなれば富裕層しか行けなかった。1991年の牛肉輸入の自由化で安価で日本人の嗜好にあった米国産牛が大量に入ってきたことで、それらを扱う外食産業は大きく発展した。そして、以前は高級料理で食べる機会がなかったしゃぶしゃぶが、一般大衆でも食べられるようになったのである。
そういった市場環境において、1995年、老舗焼肉店が始めた若者向けのしゃぶしゃぶ食べ放題が話題になった。しゃぶしゃぶ食べ放題が市場の広がりを見せつつあるなか、牛角を運営するレインズは2000年から「しゃぶしゃぶ温野菜」を、ワンカルビが運営する「きんのぶた」は2006年から営業を開始し、一気に市場が拡大した。
しゃぶしゃぶ食べ放題の導入期頃はお肉の食べ放題のみだったが、新規に参入した競合他店は後から追随するために、先発者の提供内容に付加価値をつけて提供するのは当然で、何かしら先発者の内容に付加価値をつけて提供していた。野菜、ライスやうどんなど食べ放題の種類を増やしたり、価格を下げたりと仕掛けてきた。
今は一品メニュー(揚げ物・焼き物・煮物など)、麺飯類、デザートなども食べ放題にするなど顧客サービスがより拡充されている。一品料理なども食べ放題にして魅力度を高め集客力を高めてはいるが、実はお肉ばかり食べられないように原価対策をしていることは否めない。
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