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焼肉業界“閉店ラッシュ”の中で「焼肉きんぐ」「牛角」2大食べ放題チェーンが堅調である理由

日刊SPA! / 2024年7月21日 8時54分

焼肉業界“閉店ラッシュ”の中で「焼肉きんぐ」「牛角」2大食べ放題チェーンが堅調である理由

全世界825店舗を展開する牛角

 夏に元気をくれる焼肉。しかし、帝国データバンクが7月5日に発表した焼肉店の倒産件数(負債1000万円以上、今年1~6月)は、前年同期比2.5倍の20件で過去最多ペースだ。円安を主因とした輸入肉の価格上昇が“ミートショック”となって、経営を圧迫しているのは疑いようがない。
 競争が激化する中で、幅広い客層に人気の焼肉食べ放題はテーブルオーダーバイキング方式の店が主流だ。焼肉だけではなく、サイドメニューも食べ放題のフルライン食べ放題は、夏休みに入った子供たちを連れていくには最適の店だ。中でも牛角vs焼肉きんぐの闘いがより熾烈になっている。

◆焼肉チェーン業界1位「焼肉きんぐ」

 2007年創業の後発でありながら、売上は770億円(2023年6月期、富士経済マーケティング便覧)と焼肉チェーン業界1位が「焼肉きんぐ」だ。前年の業績はコロナ収束後に回復傾向の中での好業績だったが、今期も売上106%、客数も103%(2024年6月期)と堅調に推移している。現在の店舗数は324店舗(直営203店舗、FC121店舗、2024年6月時点)と、業界2位の店舗数であるが、ほとんどが大型店舗で売上は1位である。

 今後はブランド価値向上に向け、①年間12店舗にのぼる積極的な改装投資(2024年6月末見込み)、②国産牛を含む競争優位性のあるメニュー展開、③お客様のお肉を焼いてあげるおせっかいマスター(年間約300名)を輩出、④他店とのサービスにおける差別化を訴求などに取り組んでいる。

 もちろん、労働力減少に備え飲食版DXも積極的に推進したり、特急レーンの導入、自動案内システムの導入、など省力化投資にも力を注いでいる。最大の課題である集客力は会員数500万人を突破した公式アプリを積極的に活用している。
 
 利益確保策としての原価対策は、メニュー改定に合わせた商品・メニューミックス適正化など商品全体で理論原価率を低減させ、粗利益率を改善。主要食材における調達コストや加工費用の見直しを進め、品質を維持したまま調達先の多様化を図っている。食べ放題は4コースあり、2780~3980円(税別)を用意している。ランチ食べ放題も1980円(税別)で注文でき、比較的安めの価格設定になっている。

◆国内店舗数1位の「牛角」

 国内店舗数1位の「牛角」を運営するのは、外食売上5位のコロワイドグループ傘下のレインズ・インターナショナルである。牛角は一人焼肉の「焼肉ライク」の創業者である西山知義氏が1996年に東京三軒茶屋の一角で、小さな店舗からスタート。

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