30代で“入れ歯”になってしまう4つの悪習慣 。仕事中の摂取で危ないのは?歯科医師が警告
日刊SPA! / 2024年7月22日 8時51分
加齢とともに徐々に歯周病が進行していくだけでなく、免疫力が低下したタイミングでの急激な歯周病の進行が生じる可能性もあります。
◆4、定期検診やメンテナンスの受診をしていない
むし歯も歯周病も症状に気が付いたころに歯科医院を来院しても、すでに抜歯しなければならない状態に陥っているケースも多々あります。
定期的な検診で、リスクの診断、お口の中の現状、リスクへの対処を知らなければお口の疾患を予防することはできません。
コロナ禍において歯科医院の受診をやめてしまい、最近になって「歯茎に違和感がある」とのことで当院にいらっしゃった患者さんの例を紹介します。
歯周病の精密な検査を行った結果、歯周病が進行状態であることが判明しました。歯と歯茎の間にある歯周ポケットの深さと出血の有無を調べる検査があり、正常なポケットの深さは3ミリ以下で、出血のある部分では現在歯周病による炎症が著しいという指標でみているのですが、初診時では、歯茎の腫れがみられ歯周ポケットも深く、出血もありました。
この状態がお口の中全体でみられました。残念ながら抜歯となってしまった歯も1本ありました。約2カ月に渡って、歯石の除去、オーラルケアアイテムの見直しと歯磨きの改善を行った結果、歯茎の状態は改善しました。
歯科検診の受診率は男性で特に30代で著しく低下します。30〜34歳男性では31.9%、35〜39歳男性では36.7%しか歯科検診を受けていません。多忙な生活が影響してのことと思われますが、一度健康バランスを崩してしまうとドミノ倒しのように悪化していくのが口腔内です。定期的な受診を心がけましょう。
◆生活習慣の改善は口腔の健康でも重要な鍵
生活習慣の影響は全身だけでなく口腔にも影響を及ぼすことが伝わったのではないでしょうか。口腔の疾患は都度治療を行えば改善していくものではありません。治療の繰り返しが結果的に歯の喪失を招き、口腔の疾患から全身の疾患へと悪影響を及ぼしていきます。30代から自身の生涯の健康に黄色信号を出さないためにもしっかりと生活を見直してみましょう。
<文/野尻真里>
【野尻真里】
一般診療と訪問診療を行いながら、予防歯科の啓発・普及に取り組んでいる歯科医師です。「一生涯、生まれ持った自分の歯で健康にかつ笑顔で暮らせる社会の実現」を目標にメディアで発信をしています。X(旧Twitter):@nojirimari
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