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『RIZIN』手越祐也の騒動で振り返る「国歌独唱」の難しさ。過去には数多くの有名歌手が“大コケ”

日刊SPA! / 2024年7月24日 8時50分

 それでも途中までは順調に思われましたが、異変は<さざれ石の>で起きます。連続する高音でエネルギーを費やした結果、「石の」の「の」で果ててしまう。その後、<苔のむすまで>の「の」で、ふたたび息が絶える事態に。稲本潤一選手の苦み走った笑みが忘れられません。

 小渕健太郎は、2019年9月15日のマラソングランドチャンピオンシップのスタート前に歌いました。ここで小渕は、全編裏声のパフォーマンスを選択。地声の高音で玉砕した堀内が頭にあったのでしょうか。しかし、そんな奇策が通用するほど甘くないのが君が代。冒頭から小渕の裏声はつまづき、<君が代は>の「み」で早くもしゃっくりのような地声が引き出されます。

 それでも、裏声をつらぬく小渕。すると、再び低音の罠が。<巌となりて>の「て」で裏声が頓挫し、今度は志村けんのひとみ婆さんのような地声があらわになってしまったのです。

 一瞬にしてMGCの話題をかっさらっていった小渕。オリンピック出場をかけたランナーたちにとって、あまりにもむごい仕打ちでした。

◆国歌独唱で“コケる”歌手が多いワケ

 それにしても、なぜ国歌独唱でたびたび事件が起きてしまうのでしょうか? 音楽の専門家には見解があるようです。

 そもそも「君が代」が歌詞とメロディの組み合わせが悪く、非常に歌いにくい曲だと指摘していたのは、童謡「夏の思い出」や「ふるさと」などで知られる作曲家の中田喜直(1923-2000)です。

 平成11年国会の衆議院内閣委員会で、<君が代を歌うと、何だか、ぼわっとしてちっとも緊張感がないんですね。ところが音楽だけはすばらしい。これにも書きましたように、オーケストラとかブラスバンドで君が代をやると、すばらしいんですね。>と答弁しました。歌詞で使われている言葉がスムーズな歌唱を阻んでいると言っているのです。

 同様に、アメリカ国歌にも困難がある。そう指摘するのが、NATS(教師による合唱組織)のエグゼクティブ・ディレクター、アレン・ヘンダーソンです。平板な現代のヒットソングとは異なり、メロディの音域が広く、高い音と低い音の行き来も頻繁にあるので、普通に歌うだけでも難しいといいます。

 そしてMLBのホームランダービーでも一番悲惨だった、<O’er the land of free>の「free」の高音部。これはプロの歌手でも美しく響かせるのは至難の業だそう。

 それでもアメリカ国歌を歌いたいという人にヘンダーソンはこうアドバイスしています。

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