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意外と“狭き門”「教習所の教官」になる試験は誰が審査するのか?合格には「かなりの時間と労力が必要」

日刊SPA! / 2024年7月31日 15時51分

「教育知識」は、人を指導する上で必要な知識が問われます。教官は人と接する仕事であるということを強く認識させられる科目でもあります。自分の運転がうまいだけではダメ。そのため、狭い車内でうまくコミュニケーションをとるにはどうすればいいか、心理学なども学びます。

◆高い指導力とコミュニケーション力が求められる

技能試験においては、一般車両が走行していない運転免許試験場のコース内の試験と、一般車両が行き交う公道での試験の2科目に分けられます。当然、運転のプロであるため、高い運転技術を要しているのは当たり前です。

ただし、通常の免許を取るための試験とは異なり、助手席から適切な指導ができるかどうかを重点的に審査される試験であるということが特徴です。教官を目指す受験者は助手席に座り、教習生役の試験官が運転席に座ります。助手席から適切な指導ができているかを審査するもう一人の試験官が後席に座って、二人がかりで審査をします。教習生役の試験官はわざと道を間違えたり、ちょっとした細かいミスをしたりします。それをすぐに助手席に座っている受験生が指摘できるかを試されるのです。

こうした厳しい10科目にもおよぶ審査すべてで85点以上(交通の教則など一部の科目は95点以上)とれなければ、教官にはなれません。かなりの事前準備をしないと合格が難しい難関試験といえるでしょう。

◆誰が審査するの?

厳しい審査を受けなければ教官になれないのはわかっていただけたと思います。ここまで説明すると、「試験官は誰?」「誰が審査するの?」という質問を受けます。審査するのは現役の警察官です。東京都でいえば各運転免許試験場に配属されている警察官が、受験生を審査します。その警察官は普段、一般の免許関連業務に従事していて、運転免許試験場での再試験や免許発行業務などに従事しています。つまり運転免許のスペシャリストが、教習所の教官を目指す受験生たちを審査し、運転指導のプロに適切かどうか判断しているのです。

厳しい審査に合格すると、各都道府県の公安委員会から「教習指導員審査合格証明書」が発行され、「教習指導員資格者証」が交付されます。そこではれて教官になれるわけです。ただしこの資格者証は、指導できる車種ごとに種類が決められています。

例えば、普通自動車の教官であれば「普通」、大型バイクの教官であれば「大自二」と書かれた資格者証が交付されます。免許の車種に応じた資格を取得しなければならないのが大変なところです。免許は約10種類もあり、車種ごとに資格を取得しなければなりません。ただし、一度、筆記試験を受けて合格してしまえば、それ以降は技能試験のみ合格すれば資格は取得できます。とはいっても、かなりの時間と労力が必要なのは間違いないです。

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