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一時は国内2店舗…崖っぷち「コールド・ストーン」が徐々に復活。「歌の店」イメージからの脱却がカギに

日刊SPA! / 2024年8月1日 8時53分

 しかし、2023年6月に旗艦店となる「コールド・ストーン・クリーマリー 原宿店」をオープン。この年は「築地銀だこ」併設型の店舗を2つ出店しています。反転攻勢に出たのです。

◆サーティワンの客層とは被りづらい?

 原宿店限定で販売されている「焼さつまいも」や「宇治抹茶あずき」、「宇治抹茶金時」はどれも税込864円。通常のレギュラーサイズが639円。サーティワンのレギュラーシングルが420円.スモールダブルが510円。

 コールド・ストーンは高単価で、サーティワンの客層とは被りづらいでしょう。

 サーティワンはショッピングモールへの出店が中心で、子供連れのファミリー層がメイン。コールド・ストーンは原宿に旗艦店を出店していることから、流行感度の高い若年層を狙っているのは明らか。ターゲットの棲み分けができているため、両社が顧客を食い合う可能性は低いと考えられます。

 コールド・ストーンは現在、歌を全面に出すことはしていません。希望や要望に合わせて対応するとしています。コロナ禍を経てターニングポイントを迎えました。

◆「高品質の商品」を消費者にアピールできるか

 もともとこのアイスクリームショップは、エンタメを軸に構築されたわけではありません。店内調理のフレッシュな品質と、顧客の好みに合わせて作られるオリジナリティを両立させることが重要だという発見から出発しています。

 そこで、-9℃に冷やした石板の上で、アイスクリームにナッツやフルーツをミックス。顧客の目の前でオリジナルのアイスを作り、提供するというスタイルを生み出しました。

 コールド・ストーンのアイスクリームは毎日店内で手作りし、ワッフルなども店内で焼いています。品質にはこだわっているのです。

 ただ、提供するアイスクリームよりも、体験型店舗としての高い認知を獲得してしまいます。それによってもてはやされましたが、奇抜なものは一過性で終わることがほとんど。国内の店舗は消滅しかけました。

 コールド・ストーンのアイスクリーム本来の価値を消費者に伝えることで、逆転する可能性は十分あるように見えます。

 気がかりなのは吸収合併によって会社が消滅していること。これはいわばホットランドの一部署になったということであり、出店や広告宣伝の承認プロセスが硬直的なものとなっているのであれば、自由度が制限される可能性があります。独立した会社に比べ、意志決定のスピードも落ちるでしょう。

 気温上昇という最大の追い風を利用できるかどうかが、再成長のカギになるでしょう。

<TEXT/不破聡>

【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界

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