「汚れた東京湾を8キロ泳いだ」防衛大卒の女性が語る学生生活。学内の“恋愛事情”も
日刊SPA! / 2024年8月2日 8時52分
「日々の掃除の手順を間違えた、配膳の仕方が甘い、上級生に敬意がないなど、もう本当に些細なことも含め、朝から晩まで何度もあります。廊下を掃除していた同期が注意され、私が連帯責任で腕立て伏せをやらされたりとか。1年生の間は、怒られない日はなかったほどでした。
今は指導も改善されてきていると聞きますが、それでも理不尽な指導で、メンタルを病んでしまったりとか、自傷・自死に追い込まれた人もいます。自分で自分を追い込んでしまうタイプは、そうなりやすいのです。同期はみんな仲間ですし、誰かに相談してくれれば状況は変わったかもしれないと思うと残念です」
◆ハードルが高すぎる防大生の恋愛
厳しい教育環境のなか、防大女子の恋愛事情はどうなっているのか? やはりという感じだが、恋愛中心とは縁遠い日常のようだ。
「そもそも防大女子は、なかなか防大生ではない男子との出会いがありません。そして防大生同士の恋愛は、大っぴらにはできず、かつては学内の恋愛を撲滅するという非公式の委員会があったほどです。
それもあって、化粧は禁止ではないですが、4年間、みんなすっぴんで通します。休日に髪を下ろして化粧すると、『誰だかわからなかった』と言われることも。それでも年頃なので、防大生同士で恋に落ちる人はいます。寮や部活動、休日の飲み会がきっかけとなることが多いです。
普段は就寝後に布団をかぶってスマホの光が漏れないようにして、お互いやりとりする地味なお付き合いです。学内でイチャイチャしているのが発覚すると、厳しく指導を受けます。さすがに、強制的に別れさせるとかはありませんが……」
◆引き留めの嵐に遭う任官拒否
厳しい規律のもと、学業と訓練に邁進し晴れて卒業した後は、幹部候補生学校への道が待っている。この卒業前後がまた、防大女子には悩み多い時期だという。
「防大生はいずれ、自衛官として任官するのが前提です。それでも任官拒否は、毎年一定の割合で出てきます。景気のよしあしなど外部要因も影響します。その意思表示をすると、指導教官からの引き留めがすごいです。私も任官拒否を考えましたが、説得に折れました。幹部候補生学校は横須賀から遠く、陸は福岡県、海は広島県、空は奈良県です。いずれも、実践的な訓練がもっぱらで、1年足らずで卒業し、幹部自衛官のひよことなります。
私は結局、幹部候補生学校を中途で辞めました。自衛隊のことをまったく知らなかった私が防大に入り、自衛隊の重要性を知った一方で、『なぜ日本では社会と“軍事”が切り離されているのか』に疑問を持ちました。それを知るためには自衛隊にいてはわからない、別の世界を見てみたいという思いが募ったからです。
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