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小中高オール公立で“東京大学”に現役合格した女子ラッパー。彼女の心に火をつけた「親の一言」

日刊SPA! / 2024年8月3日 8時50分

ぷらむ:高校時代「ヒプノシスマイク」という、音楽とアニメを融合した男性声優のラップバトルプロジェクトにハマったことがきっかけです。それまで、心情を前面に出すのがラップだと思っていましたが、「ヒプノシスマイク」の楽曲はキャラの魅力と共に心情を曲に載せていて、ラップの良さが別の角度から伝わりました。当時の私は自己主張が苦手でしたが、ラップだと音楽に載せて主張できることに魅力を感じたんです。

東京大学の中にストリートカルチャー同好会というものがあり、音楽活動もできると知ってからは、絶対ここでラップしようと決めていました。

――東大の学部学生のうち、女子学生が占める割合は約21%(‘24年5月時点)。わざわざ「フィメール・ラッパー」と呼ばれるように、ラップの世界でも女性の歌い手は少数です。大学でも音楽の世界でもマイノリティの女性、という視点は意識していますか。

ぷらむ:はい。かなり意識していると思います。そのきっかけとなった、一冊の本があります。’16年に起こった東大生の集団強制わいせつ事件をベースにした、姫野カオルコさんの『彼女は頭が悪いから』(文藝春秋)です。大学入学後に読んで一番影響を受けました。

小説の中で加害者の男性たちは、偏差値が低い大学に通う女子大生への差別意識をむき出しに犯行に及んでおり、あくまでフィクションではありますが、性別や学歴をベースにした男性側の差別意識を描き出していると思いました。

実際、クラブに出入りしてナンパされる子を見ていると、自己主張する子よりも、女性的な魅力があって、声をかけやすい子のほうが男性からモテやすい。そういう意味では自分も含め、東大女子が持つ「東大」の肩書は、男性に都合が悪いのかもしれないと感じてもいます。

――そうした思考は、現在のスタイルにも影響を与えていますか。

ぷらむ:そうですね。フィメールラッパーには女性らしさを前面に出す人もいますが、最前線で活躍する方には「性別を乗り越えた力強さ」が見えます。女性が男社会で生き抜く術はたくさんあるでしょうが、私は姫として持ち上げられるのではなく、自分の力でのし上がっていきたい。そのために弱さや可愛さではなく、カッコよさやいかつさを前面に押し出そうと、メンズライクなファッションやメイクにこだわっています。

――今後にかける思いを教えてください。

ぷらむ:今回の学費値上げ反対ラップを通じ、世間の人々に学生の窮状を理解してもらえました。学生時代の今は、ラップに全力投球できる時期。ライブや制作を通じ、大舞台に出られる作品と実力を養成することが当面の目標です。自分自身が日々感じる問題意識を大切に音楽の力を使って、政治に無関心な人々にも社会で起きていることを訴えかけたい。その積み重ねを通じて、男性と対等に戦っていきたいと思っています。

<Masterplum/DJ +M(ぷらむ)さん(20歳)>
2003年、千葉県生まれ。小中高と公立校に通い、東大に現役合格を果たす。ちゃんみな、Awich、7など「フィメール・ラッパー」と呼ばれる歌い手に影響を受ける。Xアカウント: @Masterplum_Rap

<取材・文/布施川天馬>

【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)

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