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焼肉店の倒産が急増する中、「牛角」「焼肉きんぐ」大手チェーンが客単価の低い“ランチ営業”を続けるワケ

日刊SPA! / 2024年8月4日 15時54分

 駅前など人通りが多い一等立地なら坪当たりの賃料は高いが、売上規模も大きい。一方で、人通りの少ない二等立地なら坪当たりの賃料は低く出店はしやすいが、集客が難しく売上はあまり上がらないから経営は難しい。

 その賃料の支払いのため、ランチを営業して売上を稼ぐ店も多いのが実情だ。昼夜の価格差が大きいと、お客が昼しか来ない事態も焼肉に限らず考えられる。安く焼肉を食べられるのならランチで十分で、わざわざ高いお金を払って、夜に来なくてもという発想だ。

 ランチだけでは店も困るが、それでも店全体の雰囲気を理解してもらえば、ディナーに繋がることはある。焼肉など高額料理はハレの場で利用されることが多い。したがって、頻繁の利用は無理でも、祝い事などに利用してもらえるはずだと思うしかない。

◆コロナ収束してもランチ営業を継続

 コロナ禍は、ディナーのみの営業店も外出制限など特殊事情により、仕方なくランチの営業をしていた。そして、テイクアウトやデリバリーにも対応して現金売上を求めて、運転資金の確保したものだった。

 コロナが収束しても、再感染拡大に備え、そのままランチ営業している店も多くある。特に個人焼肉店にしては死活問題だったため、店頭で焼肉弁当を販売し、店内もランチメニューを拡充して集客に必死だった。

 ディナーとは違い薄利多売だが、店の生き残りのために始めた店も散見された。また、2年以上の自粛営業から蓄積したランチ営業の販売ノウハウを活かすと共に、今後また発生するかもしれない感染症リスク対策として、今なおランチ営業を継続させている店も多い。

◆焼肉大型店チェーンもランチ営業

 昼から焼肉は高いし重たいし、匂いが気になるという人も多い。だが、大型焼肉チェーン店などもランチ営業に取り組んでおり、けっこう盛況な店もある。「牛角」や「焼肉きんぐ」もランチ営業をし、低価格帯の食べ放題(税込2178円)も実施している。

 その他、ゼンショーグループの「焼肉いちばん」、すかいらーくグループの「じゅうじゅうカルビ」もランチ営業をしており、食べ放題だけでなく、低価格の定食メニューも充実させて集客している。さらに大概のチェーン店はセントラルキッチンを有しており、店舗における仕込みの割合は低いが、社員のシフト管理のために、ランチ営業が必要になっている店もある。

 社員は1日8時間労働としてディナー時間だけでは労働時間の管理が難しい。深夜営業する店の割合が低い中では仕方ない。店は1日の時間帯ごとの作業内容が決まっており、固定作業と変動作業を分けながら、それを分業し各自に割り当てている。

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