ローファーはなぜ靴擦れするのか?“足が痛くならない方法”をプロが指南
日刊SPA! / 2024年8月14日 15時52分
また、糸が数か所切れたところで「ねじりながら縫っている」ので、底剥がれの心配はなく、本体そのものも革の袋状の「リアルモカシン」でできているので、履き心地はさながらソックスのようで、グッドイヤーにはできない製法なので、ローファーを選ぶならマッケイ製法がいいでしょう。
ただしBASSの場合はマッケイ製法とはいえ、体重の重い外国人を想定しているので、作りは全体的に硬めです。履きならすのに1か月程度は見ておく必要があります。
◆令和の進化系の逸品リーガル「61FL」
その点、筆者が今年ナンバーワンの出来だと思うのが国産メーカーの雄、リーガルの「61FL」です。設計は日本、生産はタイで、コストは抑えつつこのクオリティはヤバい。履き心地と雰囲気だけなら確実にBASSを超えています。これで2万6400円は破格でしょう。
見た目は完全にBASSのウィージャンズなのに、底を革からビブラムソールにすることで、返りがさらによくなっています。マッケイ製法ですが底を2重にすることで糸を完全に隠しています。至近距離から観察しても、2重底とわかりません。本当に底の返りがよく、木型の設計だけでなく、全体のつくりを見直すことで歩きやすさをアップさせています。
BASSと比較すると、足を入れて数歩歩くと、履き心地に雲泥の差があります。「革の靴下」とはこういうことだったのか、と。当たり前にゴム底なのでグリップがいい。クッションも革よりソフトで、ビブラムなのでタフ。なにより現代の日本人向けに甲が低く抑えられていて、紐靴を履いているかのような締まり感があります。アッパーの素材はBASSとおなじ「ガラスレザー」という光沢のある天然革ですが、裏の革を排除した構造で、蒸れることがまずありません。BASSを令和版にアップデートした、今年一の隠れた名作と断言します。
◆ビジネスにも使えるコスパ最強の上品ローファー鞆ゑの「TE00Y」
日本のメーカーからもうひとつ。鞆ゑ(ともえ)の「TE00Y」はカジュアル過ぎず、ビジネスシーンでもまったく違和感なく使えます。とにかく上品。
トウがわずかに長い「ほんのりロングノーズ」で、スラックスとの相性は完璧です。表面の牛革はステアと呼ばれる肉厚な大人の牛で、さらにマシーンで圧をかけることでシボを再現し、2万円台とはまったく思えない外観です。型押し革とも呼ばれますが、天然革なのに本当に手入れがしやすい。乱暴な表現ですが、気が向いた時にクリームを塗れば終了。人に踏まれた、トランクにひかれたとかで、かなり深い傷が入っても、クリームを塗りさえすればまったくわかりません。これが型押し革の醍醐味です。
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