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かつては「練習中に水を飲むな」と言われていたが…高校野球の名将2人が思う「夏の甲子園開催の是非」

日刊SPA! / 2024年8月22日 8時50分

前田:審判もたいへんだよね。選手は守備からベンチに戻ってきたら給水できるけど、審判は試合が始まるとわずかな時間しかないわけだから、試合前からコンディションを整えてないといけない。今年の夏の甲子園は5回終了後に10分のクーリングタイムが設けられるけど、今後は臨機応変に対応が求められるね。

小倉:給水の時間が限られていますし、試合中においそれとトイレに行くわけにもいかない。夏の暑さ対策は選手だけでなく、グラウンドにいる全員が行わなければいけないでしょう。

◆環境は「昔に比べて格段によくはなっている」

前田:私も07年の夏に準々決勝で佐賀北と対戦したときに、延長戦になったんだけれども、12回裏の佐賀北の攻撃を終えて、うちの選手が戻ってきたときの顔を見たら、みんな無言で疲れ切っていたんだ。次の回の攻撃で、ベンチから打席に向かう選手に対して必死で声をかけたんだけれども、「この暑さで、みんなきついんだろう」というのが見て感じ取れた。結局、その裏に佐賀北に1点取られてサヨナラ負けを食らってしまったんだけどね。

小倉:あのときの帝京は11時から始まる第1試合で、暑い時間帯での試合でした。当時に比べて、今はさらに暑くなっていますからね。選手のコンディション管理はいっそう気をつけなければならない時代です。一方であまり語られていませんが、甲子園のベンチのなかはエアコンが入っているし、スポーツドリンクや水などの水分補給用のペットボトルも支給されていて、昔に比べて格段によくはなっているんです。矛盾した話になってしまうかもしれませんが、暑さ対策を万全にやっておけば、夏の暑さと向き合いながら甲子園で試合を行うことはできるんじゃないのかなと、自分なんかは考えているんですけどね。

<談/前田三夫 小倉全由 写真/小嶋晋介>

【前田三夫】
1949年、千葉県生まれ。木更津中央(現・木更津総合)卒業後、帝京大に進学。高校時代は三塁手として活躍するも甲子園の出場経験はなし。大学時代は4年の秋に一塁ベースコーチとしてグラウンドに立っただけで選手としては公式戦出場なし72年、卒業後に帝京野球部監督に就任。78年、第50回センバツで甲子園初出場を果たし、以降、甲子園に春14回、夏12回出場。うち優勝は夏2回、春1回。準優勝は春2回。21年8月に監督を勇退、現在は名誉監督としてチームを支える。

【小倉全由】
1957年、千葉県生まれ。日大三卒業後、日本大に進学。高校では内野手の控えとして甲子園を目指すも、最後の夏は5回戦で敗退。大学在学中に日大三のコーチに就任し、79年に夏の選手権大会に出場。81年、関東一の監督に就任。85年夏の選手権大会でベスト8、87年春のセンバツでは準優勝に導く。88年に退くも92年に復帰、94年夏に再び甲子園へ導いた。97年、母校の監督に就任。2001年夏に全国制覇。10年春のセンバツでは自身2度目の準優勝、11年夏には同じく2度目の優勝を果たした。23年3月に監督を勇退。

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