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2024年夏ドラマは終盤戦に突入「最後まで見逃したくない作品」5選

日刊SPA! / 2024年8月23日 15時50分

 浩子の源氏名から、主人公のジャーナリスト・道上香苗(水川あさみ)は、彼女が日本人と中国人のハーフだと突き止めた。だから、クオーターの清家も在日外国人らへのヘイトスピーチに反対しようとしているのだろう。

 清家がヘイトスピーチに反対するのは意義あること。しかし、清家は出自を明かしていないから、それが明るみに出たら一波乱あるのは間違いない。政界ドラマとしての見せ場もまだある。

 櫻井の演技には賛否両論があるが、清家役はハマっている。肉体派の刑事などより、頭脳派の役柄のほうがしっくり来る

◆日本テレビ系『降り積もれ孤独な死よ』
(日曜午後10時30分)

 虐待を受けている子供ばかり集め、育てていた男がいた。灰川十三(小日向文世)である。この最初の設定からして近年のドラマとしては斬新だった。

 灰川の屋敷で13人の子供の監禁死体遺棄事件が起きる。主人公の刑事・冴木仁(成田凌)が捜査に着手。灰川が容疑者として逮捕されたものの、留置場内で自死する。

 灰川には誰かを庇ったフシがあった。真犯人は灰川の実子で冴木の後輩刑事・鈴木潤(佐藤大樹)だった。灰川が実子の自分を相手にせず、血縁のない子供たちばかり大事にしたことが動機だった。灰川は血のつながりというものを信じていなかった。

 かつて灰川邸に住んでいた冴木の弟・瀧本蒼佑(萩原利久)も血縁を信じてなかった。それどころか冴木を憎んでいた。冴木が虐待癖のある父親から逃げて親類の家の養子になったことが背景にあった。父親の暴力は全て蒼佑に向けられるようになった。

 もっとも、捕まるまいとした鈴木が冴木を短銃で撃った際、庇ったのは蒼佑だ。冴木の代わりに撃たれた蒼佑は死んだ。18日放送の第7回だった。

 肉親とは何かを繰り返し問い掛けてくる。大抵のドラマが血の重みを訴えるが、このドラマのように親から酷い暴力を振るわれたり、ネグレクト(養育放棄)されたりしたら、「肉親の存在は尊い」とは簡単には言えないだろう。

 同じ第7回、やはり灰川邸に住んでいた過去があり、冴木のパートナー的存在だった蓮水花音(吉川愛)が事件のキーパーソンであったことが分かる。物語はまだ二転三転するに違いない。同名原作漫画とストーリーがかなり違う。それでいて「血とは何か」という原作のメッセージは保たれている。

◆フジテレビ『新宿野戦病院』
(水曜午後10時)

 脚本はクドカンこと宮藤官九郎氏(54)。クドカンが得意とする社会派コメディである。モチーフとなっているのは山本周五郎の名作『赤ひげ診療譚』(1958年)に違いない。山本はクドカンが敬愛する作家だ。今年、テレビ東京でドラマが放送されたクドカン作品の『季節のない街』も山本作品である。

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