『地面師たち』ダーティな犯罪者に“なぜか惹かれてしまう”理由。被害者が相次いでも「気が滅入らない」
日刊SPA! / 2024年8月29日 8時49分
◆制作費は地上波の5倍。ドラマの質にも“穴”はない
ドラマの質を決めるのは「1に脚本、2に俳優、3に演出」である。このドラマの場合、一番大切な脚本が抜群である。説明的要素を入れなくてはならない第1回を除くと、目の離せない展開が続く。時間が過ぎるのを忘れる。予測はことごとく裏切られる。CMがない強みも生かされている。
レイティング(年齢制限)があり、視聴を16歳以上に限定しているのもヒットした理由だろう。レイティングがあるのは暴力シーンが多少含まれているためだが、アンダーグラウンドの世界を暴力抜きに表現するのは難しい。米国刑事ドラマも暴力シーンを含める代わりにレイティングを設けている。
豪華な出演陣も観る側を惹き付けているはず。主要キャストは全員、文句なしにうまい。地上波ドラマではマネできないだろう。Netflixの制作費は1時間当たり約1億5000万円なのに対し、地上波の1時間ドラマの制作費は約3000万円(プライム帯=午後7~同11時)に留まるからだ。Netflixの制作費は地上波の5倍。俳優のギャラに限っても数倍。だから本人と所属芸能事務所は大歓迎なのである。
脚本執筆にも手間と時間が掛けられる。また「こんな場所でも撮るのか」というシーンがいくつもある。さらに観ると分かるが、カメラの位置が頻繁に変わる。撮影と編集に十分な資金が使われているからだ。
『地面師たち』には穴がない。再生数はまだ伸びるだろう。
<文/高堀冬彦>
【高堀冬彦】
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
Netflix『地面師たち』ヒットの理由とは? ハマる人続出の“中毒性抜群”な魅力を解説【ネタバレあり】
オールアバウト / 2024年8月30日 20時35分
-
Netflix『地面師たち』5週連続グローバルトップ10入り、日本では1位をキープ
ORICON NEWS / 2024年8月28日 12時25分
-
『地面師たち』が地上波ではできない3つの理由。業界人が驚く「本当に」攻めている部分
女子SPA! / 2024年8月15日 15時46分
-
ぶっちぎり世界でも3位「地面師たち」制作秘話 大根監督「騙される人を見るのが好きな国民性」
東洋経済オンライン / 2024年8月10日 19時0分
-
「業務の進め方、対応が話題になっております」司法書士はじめ各業界で話題…『地面師たち』人気の理由は?
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月10日 7時15分
ランキング
-
1やす子力走で「24時間テレビ」起死回生! 募金横領で一時は絶体絶命…それでも残る善意の押しつけ問題
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月2日 11時3分
-
2「お墓の場所を教えてほしい」沙也加さん元恋人・前山剛久からの呼びかけに神田正輝と松田聖子が応えなかった理由
NEWSポストセブン / 2024年9月2日 7時0分
-
3「24時間テレビ」マラソンで一般人がやす子にタッチ ネット猛非難「女性の胸触るなんて信じられない」
J-CASTニュース / 2024年9月2日 12時10分
-
4笹崎里菜アナ「夫・中丸雄一の不倫ネタ」でバラエティー出演も“サレ妻”としての支持はイマイチ?
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月2日 9時26分
-
5母は三雲孝江アナ! NHKの“夜の顔”星麻琴アナ(32)、民放不採用時に発揮された「親バカ」とは
文春オンライン / 2024年9月2日 7時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください