「住人の精神を蝕む家」には共通した要素が。一級建築士が伝えたい「風水よりも大切なもの」
日刊SPA! / 2024年8月31日 8時53分
よくよく話を聞いてみると、「素敵だな」と思う人とデートしても、自宅に帰るとその気持ちが妙に冷めてしまう。つまり恋愛が長続きしないとのことで、「家が私のことを呪っているのではないか?」という趣旨の相談でした。
しかし、家相的に見ても特に問題のない間取り。その旨を、彼女にも伝えたところ「じゃ、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?」と相当困惑した様子に。
そこで私はふと「このマンションを購入したのは10年ぐらい前だと言われていましたが、なぜこのマンションを購入したのですか?」と尋ねました。
◆買った理由は「一生一人で暮らすため」だった
不意を突かれた様子で、一瞬考えこんだ後、ハッとして私は次のように言いました。
「すっかり忘れていましたが、このマンションは婚約破棄をされたことの腹いせで購入しました。一生一人で暮らしていこうと思って……」
彼女も、そのことを思い出し、ぞっとした表情を浮かべていました。私はこう返します。
「でも、時が経つにつれて、当初の決意を忘れ、新たに恋愛したい思いが募ってきて。再び恋愛するようになったんですね。だから、家に帰ると妙に気持ちが盛り下がったのですね」
彼女もそれに納得した様子でした。しかし、彼女の不安は募るばかりです。
「この家に住んでいる限り私は恋愛できないのでしょうか?」
それに対して、次のように伝えました。
「当初の動機を思い出したことで、呪縛は半分外れたと思います。ですので、この家に住んでいても恋愛していいし、パートナーとこの家に一緒に暮らしてもいいと強くイメージしてみてください」
その後、彼女は無事「長期的な恋愛」が出来るようになったと聞いています。
◆「風水が完璧な家」に引っ越ししたのに…
私は、風水や家相を探求する設計士として一つ確信したことがあります。それは、風水が整っていても、その家に住んでいる動機のほうが大きく影響するということ。ある男性から次のような相談がありました。
「3か月前、東京から故郷である広島に戻ってきました。ただ、広島で有名な風水師の方に見てもらって選んだマンションに引っ越したのですが、体調を崩してしまうなど、良いことがありません。本当にこのマンションは吉相なのでしょうか?」
「こんな相談は困るな……」と思いながら、そのマンションの鑑定をしたところ、さすがにいいマンションを選んでいることが分かり、そのことを伝えました。
本人は、半分安堵しながらも、疑問が払しょくできないという様子。そこで私は次のように尋ねます。
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