日本は「離婚=バツ」だが、フランスでは…“恋愛大国”から学ぶべき価値観
日刊SPA! / 2024年9月4日 8時52分
髙野:そのあたりは難しいですよね。ただ、自分らしさを見出すために人生があるのですから、またもちろん、変わっていることも、自分らしさの一部の場合もあるでしょう。個性でもあります。私なども、変わっていると言われるのは、誉め言葉だと思って喜んでいるくらいですが(笑)。
フランスでは自分らしさがない、個性がないという存在は認められないくらいですから。そういう男女を主人公としているのが、フランス映画ですから、やっぱりたくさん観ていただいた方がいいですね(笑)。
◆すべての女性が胸ときめく人生を歩んでほしい
――最後に、「フランス映画のこんなところが生きるうえで血肉になるのでは」という部分があれば、お願いします。
髙野:今回、書籍の形にまとめてみて改めて思ったのは、生きる勇気がほしいときに自分を元気にしてくれるものこそ、フランス映画だなということ。そして書名にもしたように、歳をとるほど、人生ある限り、恋をする自由もあるんです。長寿大国を誇る我が国こそ、様々な愛があれば長い人生も豊かになるでしょう。
生きていれば、たびたび様々なことに心を痛ませ、落ち込み、塞ぎがちになることもあるでしょう。でも、また生きてさえいれば誰かと巡り会える、愛を分かち合える。大切な人生を誰かと分かち合うことが大切だと、フランス映画に描かれる人生から学べます。
すべての女性がそんな胸ときめく人生を歩んでほしいなと私は願います。
=====
髙野氏の言葉は、小気味よいテンポでしっとりと鼓膜に落ちる。
視線をまっすぐに保ち、柔和な笑みを浮かべながら、物事の核心をこちらに向かって取り出すように見せてくれる。そこにいささかの説教臭さも自慢も滲まない。若い女性たちが髙野氏に惹かれる理由は、これかもしれない。
「あなたの人生を楽しんで」。そのエールが無責任で宙に浮いた戯言にならないのは、髙野氏が他の誰よりも自分自身の人生と自由を楽しんでいるからだろう。フランス映画のフィルムから飛び出してきたような優雅さとチャーミングさに、ひたすら脱帽する。
<取材・文/黒島暁生 撮影/村上知穂>
【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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