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昔の面影がなくなった大阪「黒門市場」…インバウンド価格で“儲け主義”に走った先に訪れる未来

日刊SPA! / 2024年9月9日 8時54分

 中国人の中には朝食なしのビジネス系ホテルに宿泊し、朝食は定食チェーンなどを利用。その浮いた分を買い物に回すなど、旅行予算額を効果的に配分し、消費にメリハリを効かせているようだ。そのため牛丼チェーンやご飯食べ放題の定食チェーンの朝は、アジア系のファミリー客で満席状態。店員さんは大忙しだ。

◆インバウンド価格で儲け主義に走る店も

 訪日外国人観光客が増えている中、インバウンド消費のプレミアム化が止まらず、大トロ、ウニ、ホタテなどの高級食材を盛合わせた「インバウン丼」という新語も生まれている。

 外国人観光客が食べる前にスマホで撮影し、SNSに投稿してはしゃいでいる光景をよく見る。デフレに慣れた日本人がとても手を出せない料理を次から次へと注文し、店側を元気にさせており、それを横で見る日本人が羨んでいるのが実情だ。

 ある老舗料理店では、従来からあった日本人向けの懐石コース1万円に加え、訪日外国人観光客用に倍のコース2万円を用意したら、注文が殺到し、売上を大きく伸ばしたようだ。訪日外国人観光客が事前に調べてくる有名店においては、通常メニューとは違う特別メニューを用意して対応している店はけっこうある。

◆処理水排出問題で中国人富裕層の悩みは…

 2023年8月の福島原子力発電所の処理水排出問題で、 日本の新鮮な魚介類の中国への輸出が制限されている。日本の魚介類を好んでいた中国の富裕層は、日本に来て食べるしかなくなっている。

 処理水排出は、政治的な問題であり、どうしようもできない難題でもある。逆に言えば、そういう問題があるから日本に来てもらっている中国人も多く存在するようだ。

 また、中国で高級魚介類の輸入事業をしていた経営者が、輸出禁止の煽りを受けてしまった話も聞く。とある業者は債務超過に陥り、入国管理局(出入国在留管理庁)から経営管理ビザの更新ができずに大変な思いをしているそうだ。

 中には闇ルートを通じて日本から中国に運んでいる者もいるそうだが、逮捕されたら罰金3000万円と破格だという。そこまでリスクを負いながら密輸する人がいるのは、それだけ日本の新鮮な魚介類に魅力があるからであり、日本への旅行者が増えるのはよく分かる。

◆海外における日本食レストランが増大

 今は国内市場の縮小化を背景に、外食大手が海外市場を開拓したり、腕のある職人が海外で自分の店を開業したりと、日本食が海外で広く浸透している。寿司やラーメンなどは特に人気のようだ。そこで日本の店が提供する料理を味わい感動した外国人がもっと日本を知りたい、本場の料理を食べたいというニーズが高まり、旅行者の増大につながっている。

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