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内定辞退した会社が成長、約20年後の後悔「あのまま就職していれば…」――大反響ニュース傑作選

日刊SPA! / 2024年9月28日 15時44分

◆就職浪人までしたのに翌年は内定ゼロ

 ところが、就活2年目は就職戦線がさらに悪化。そもそも通っていたのは全国的には無名の地方私大。しかも、すでに卒業していたことも大きな不利となり、書類選考通過さえもままならず、前年以上にひどい結果に。

 さすがにヤバいと感じてなりふり構っていられず、途中からはあれほど嫌だった中小企業に狙いを変えるも今度は1社の内定を貰うことすらできなかったそうだ。

「それなのに大学をサボりまくって留年した同じ学部の友人が上場企業から内定が出たと喜んでるし、完全に八つ当たりなんですが『なんで俺だけ……』って一方的に逆恨みしてました。メンタルもボロボロで、最後は就活を続ける気力もなくなり、正社員の職を得ることは叶いませんでした」

◆腰かけのつもりが、気づけば30代……

 腰かけ的に契約社員として働き始めたが、非正規雇用でも自分1人なら生活できる程度の収入は十分得ることができる。そのため、「しばらくこのままでもいいか」と思うようになり、気がつけば32歳になっていたとか。

「このままじゃ一生正社員になれないって絶望感に襲われ、必死に転職活動を行いました。けど、非正規雇用の職歴しかなく、面接すらなかなかさせてもらえませんでした。それでも10か月近くかかってようやくある企業に正社員として雇ってもらえました。あのときは本当にうれしかったですね」

 それが現在の勤務先。ただし、ここも中小企業で現在はサブマネージャーという肩書きを与えられているが、役職としては主任級で給料も平社員とあまり変わらない。

 それでも「満足しているつもりだった」と矢島さん。しかし、ある時なんとなく大学時代に内定を蹴った会社の情報を検索してみると社員数は4倍近くに増えており、かなり成長していることがわかった。それからというもの、「あのまま就職していれば……」と何度も考えるようになったそうだ。

◆くだらないプライドのせいで人生を遠回りしてしまった

「もし入社していたら今ごろは課長、ひょっとしたら部長になれていたかもしれない。20数年でそれだけ成長した会社なら仕事だってやりがいがあっただろうし、私の人生も違っていたのかなって。当時は内定先が小さな会社なんて恥ずかしくて周りに言えないとくだらないプライドで断ってしまいましたが、そんな考え自体が愚かだと今ならわかります。過去の自分にタイムスリップできるなら今度は喜んで入社するのに(苦笑)」

 結果だけを見れば、人生の大きな分かれ道になったのは間違いない。30代で非正規雇用から正社員となり人生を立て直せたのも立派だと思うが、それでも拭い去ることができない大きな後悔が彼の中には今も残っているようだ。

<取材・文/トシタカマサ>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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