“ぽっちゃり体型の泡姫"の人生を変えた出会い。今では「大会に出場する」までに
日刊SPA! / 2024年10月2日 15時51分
“洗礼”もあれば、与えられたものもある。
「今にして思えば未熟な考え方ですが、当時の私は、『キモい客』と『マシな客』という分類をしていたように思います。指名客のなかに、遊び方がスマートで、無茶な要求をすることもない行儀のいい客がいました。何度か指名してもらううちに惹かれ、数年の交際の末に結婚しました」
◆夫に風俗の仕事がバレてしまい…
男性との交際が真剣になるタイミングで、店舗型ヘルスを退店。昼職のネイリスト一本に集中することになった。だが問題は出てくる。
「広告代理店の営業職はインセンティブがあったので、若くても頑張り次第で稼ぐことはできました。しかしネイリストは技術職なので、収入がかなり下がりました。結局、私は夫に内緒で風俗に戻ることにしました。
数年間は隠せましたが、それが夫の知るところとなり、結婚生活は終わりました。帰ると机の上にコンドームが置かれていて、『これは何?』と(笑)。正直に話さざるを得ないですよね」
◆技術の向上と、他の嬢と一味違う「写メ日記」
時間軸が前後するが、夫に内緒で戻った風俗で、伊織さんは打ちひしがれる体験をした。
「年齢的に中途半端で、とても苦労しました。若くはないけれど、堂々と『熟女です』ともいえない年齢です。熟女店に勤務したときは、お客さんから『あなた若いでしょ』とがっかりされることもありました。特別なスキルがあるわけでもなく、武器になるものが何一つない。自分が“地雷嬢”になっていくのを自覚しました。指名本数がゼロの月もざらでしたから」
このままでは戦力外。「風俗の本場といえばソープ」と一念発起し、吉原のお店に転籍した伊織さんは、講習などへの積極的な参加によって、風俗嬢として活路を見出した。
「当時の私はぽっちゃり体型、可愛くもない。若くてきれいで、しかも努力をしている風俗嬢をたくさん見てきました。そのなかに、有名な先生のところでマット講習を受けに行くなどの実践をしている子がいることに気がついたんです。私も、同じように勉強させていただくことになりました」
◆吉原から池袋に移って感じたギャップ
技術面が格段に上がったことに加え、もう1つの武器が伊織さんを助けた。
「広告業界にいたので、インパクトのある打ち出し方を考えるのが苦手ではないんです。風俗嬢が写真入りで書く『写メ日記』には通常、お客様へのお礼だったり、日常の他愛ないことだったりを書きます。でも私は、これまで印象に残った客について“いじったり”して、なかなか反響がありました。お客様はもちろん、スタッフや同じ店の嬢まで読んでいて、『面白かったです』なんて言われて(笑)」
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