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“ぽっちゃり体型の泡姫"の人生を変えた出会い。今では「大会に出場する」までに

日刊SPA! / 2024年10月2日 15時51分

 吉原から現在の池袋へ拠点を移したのは、4年ほど前。当時はギャップに戸惑う場面もあったという。

「吉原は遊び方がこなれている男性が多かったのに対し、池袋は活力があって元気な感じのお客様が多いので、従来通りのやり方が通用しないこともありました。吉原では好評だった写メ日記での“お客様いじり”も、掲示板では『あの女、客を舐めてるのか』『殴りに行く』とかボロクソ書かれていて(笑)。最初は少し怖かったですね」

◆ジムに通って最初の半年で「16キロくらい落とした」

 現在の伊織さんの代名詞である筋トレソープ嬢への道は、どのように拓けたのか。

「これまでホストクラブへ頻繁に通っていたのですが、“推し”が卒業していくタイミングが重なってしまって。打ち込めるものを探していた時期に、ホストの子から紹介してもらったのが、パーソナルトレーニングジムでした。

 最初の半年で16キロくらい落としたので、お客様からは賛否両論ありました(笑)。もともとぽっちゃりしていたので、それがよくて通ってくれたお客様もいたでしょうからね。ただ、私自身が、筋肉のある身体に魅了されたんです。トレーナーにも『私もその身体になれますか?』と質問したのを覚えています」

 見違えるような体型を手に入れた伊織さんは、筋トレを通してこんな考え方を学んだという。

「単に見栄えが良くなっただけではなく、私は『自分を大切にしていいんだよ』という教えを得たと思っています。人が筋肉をつけ、痩せていく過程には、当然ですが、“体に良いこと”が必要です。栄養バランスのいい食事、ストレスのない環境、十分な睡眠時間。そんなことはみんな分かっているけれど、日常生活において犠牲にしてきていますよね。それは、自分を犠牲にして、命を摩耗させているんだと気付きました」

◆父はギャンブル中毒で、母はアルコール依存症

 自分を大切に――なかなかそうした境地に至れなかった背景には、伊織さんの生育歴も無関係ではないのかもしれない。

「私の父母は、暴力を振るうような人たちではありませんでした。ただ、父はギャンブル中毒で、母はアルコール依存症でした。思い出すのは、小学生のときに私が痴漢に遭ったことを父に報告すると、彼は『そういうのはお母さんに言って』と言いました。子ども心に、『私には何の関心もないのか』と思いました。2人は私が高校生のときに離婚し、私と弟は母に引き取られています。

 その後、私が20代のときに父が孤独死をしました。脳の病気でそのまま亡くなり、放置されたのちに発見されたようです。警察から遺体の写真を見せてもらいましたが、腐敗がかなり進んでいました。ずっとその写真のことは触れないようにしてきましたが、最近、弟と2人で話したとき、弟が『お父さん、溶けちゃったね』と呟いたんです。それが切なくて、でもすごくおかしくもあって、あれから時が進んだんだなと感じましたね。

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