腕時計投資の伏兵・カルティエの“不人気モデル”が高騰したワケ。11万円の時計が「7年で50万円超」
日刊SPA! / 2024年10月13日 15時54分
ちなみに、サントスガルベ自体はその時期にも現行モデルとして存在していたのですが、若干のマイナーチェンジを受け、ケース形状が変更。この世代は、サントスガルベの「後期」に当たる世代なのですが、不思議と後期ではステンレスモデルの方が多く、コンビが少ない傾向があります。
こういったことからも、1990年代前半と後半とで流行が「逆」になったということが分かります。
◆不人気モデルになった後の相場は?
バブル期に流行ってしまったサントスガルベは、1990年代後半頃から、不人気モデルに転じるわけですが、そういった傾向は数年前まで続いてしまっていたといえます。またメーカー側も、ガルベの不人気を察知してなのか、2000年代にサントスのラインナップを変化させます。2002年頃からパネライが世界的な大ブームとなっていたのですが、サントスにもパネライの要素を投入。2004年に発表された「サントス100」シリーズは、それまでのサントスガルベとは異なり、大きなケースが採用。また、ストラップも革ベルトを中心とした展開でした。
サントスガルベは、メンズサイズでも約29mmと小ぶり。ストラップはブレスレットが基本でしたから、サントス100は、巨大ケース&革ベルトという真逆の存在だったといえます。ちなみに、2005年にサントスガルベにも「XL」というそれまで以上に大きなサイズが追加されたのですが、その頃のサントスの中心的存在は「サントス100」になっており、ガルベの存在感は薄かったといえます。
そしてその後、サントスガルベは「女性向けが中心」というラインナップに変更。2010年代中盤頃までには男性用サイズ(LM)が廃止となり、女性向けのSMといったサイズのみの展開になっていたのです。
2016年頃の中古相場では、男性用サントスガルベはどういった相場だったかというと、LM自動巻(後期ステンレス W20055D6)が24万円程度、LMクオーツ(W20018D6)が11万円程度といった状態でした。
2016年時点で、ロレックスなどの人気モデルは、既に「異常な値上がり」という意見が見受けられたといえます。私は、2015年に「腕時計投資のすすめ」という本を出したのですが、その頃書かれたレビューを見ても「高くなりすぎている」とか「今が天井」などと書かれていた様子があったぐらいでした。それぐらい、当時の相場は「高い」という印象だったのです。
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