1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

ラーメン店の倒産が過去最多に。個人店が苦戦する中、規模を拡大する“人気チェーン”の存在感

日刊SPA! / 2024年10月23日 8時52分

 筆者の知人である厨房機器の直販メーカーに聞くと、30店舗くらいまでは、豆田社長自身が自社の担当者と直接に交渉をしていたが、さらなる店舗数の拡大戦略を目標としたことを契機に、戦略策定と運営を分離させた組織に刷新。各担当者に、権限と責任を明確にした組織運営に変更したという。

 店舗以外でも、大手コンビニ・ファミリーマートで2016年10月から監修した「カップ麺」、そして2022年からは3年連続期間限定で「冷やし中華」「チャーハンおにぎり」を販売。ブランド認知力のさらなる向上に貢献しているようだ。今後も安定した経営基盤で、確実な店舗展開を目指すようである。

◆1000円の壁に苦労する個人ラーメン店

 そもそもラーメンの価格は「1000円の壁」と言われ、いかに1000円以下に抑えながら生き残るかに腐心している。そのため粗利益が高い他の商品の品揃えで利益を確保し、経営を維持しなければならず、町中華メニューの充実を図る発想も必要だ。

 地域で存在感を増す町中華やガチ中華(本場そのものの味)は、個性豊かで独自の強みを持っており、店を支える家族と常連さんで一体感が醸成されている。中華料理店は店舗数5万5000店舗、市場規模は1兆1629億円で内訳は中華料理5686億円、ラーメン店5560億円、その他が382億円となっており人気の業種である(全国中華料理生活衛生同業組合、2018年)。

 独自のメニュー構成が特徴で、このオンリーワン戦略を展開すれば差別化が図れ、客はファンとなるものだ。ラーメンをロスリーダーにしてお客さんを吸引し、町中華の一品メニューの販売で利益を稼ぐのもいいだろうし、事実、それで成功したお店もある。

 例えば、麻婆豆腐などは10%程度の原価であり、その他一品も30%程度に抑えればトータル原価は35%程度に抑制可能だろう。店の看板ラーメンは、食材費が高騰しても値上げするの難しいが、中華一品メニューなら代替食材に変更したり、量の配分調整が可能だから、原価調整がしやすい。

◆資本力が脆弱な個人店の苦難

 一方で、ラーメン業界は特にトレンドの変化が激しく、新たな味と共に次々にオープンする新規出店者と既存店の戦いの構図が鮮明となり、生き残り競争が激化している。

 スープづくりには欠かせない豚肉や鶏肉・ガラなど食材の高騰、エネルギーコストの負担も大きい。ラーメン店は特にスープづくりのためにガスをよく使用するので、ガス料金の値上がりは相当に苦しい。特に過小資本の個人営業のラーメン店の経営は大変苦しそうだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください