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ラーメン店の倒産が過去最多に。個人店が苦戦する中、規模を拡大する“人気チェーン”の存在感

日刊SPA! / 2024年10月23日 8時52分

 売上と利益を確保するためには、限りあるキャパシティを有効に活用し、客席回転率の向上が望める時間帯は別として、お客さんの滞留時間を延ばし、追加点数を増やして客単価を上げるのも得策だ。カウンター席はラーメン客で高回転、テーブル席は飲み客やファミリー客を誘致し、店内を有効活用する営業政策も必要だ。

 売上=客数×客単価を再認識して客数を伸ばすのか、客単価を上げるのか、自店の実情を踏まえた上で、店の方針を決定したほうがいい。1000円程度の一人客が多いラーメンだけでなく、2000円単価の飲み客や週末のファミリー客に町中華メニューで対応すれば、客数も客単価も上昇し、経営は楽になるはずである。実際にそれで成功している店はある。

◆ラーメン店経営はそれほど甘くない!

 ラーメン店は比較的簡単に開業できると思う人が多いのか、素人でも趣味の延長でラーメン店を開業したい考える人が増えている。定年して、会社人生を終えたサラリーマンが、人生100年時代まで、たっぷりある時間をどう有意義に過ごすかを考えた時、ラーメン屋でもやるかと単純に考えるのだろう。

 しかし、やってみたら、そんなに簡単ではなかったと後悔される人は多い。人気店になるのはとても難しく、開業から1年以内に閉店するラーメン店は実に4割、開業から3年以内にはさらに3割近くが閉店に追い込まれているのがラーメン業界の実情だ。

 安易な気持ちで開業する人が増え続けることで競合店数は増え続け、多くのラーメン店が価格競争に埋没し、結果的には閉店へと追い込まれている。開業費用は他の業種と比較したら低いかもしれないが、決して安くはなく、失敗した時の損失は大きい。老後の生活資金として蓄えていたお金を無駄に使わないようにしないといけない。

 コロナが収束し、人流が復活し、インバウンド効果で外国人旅行者も増えてきている中、日本のラーメンは外国人旅行者にも人気で需要は伸びている。そのチャンスを収益に繋げてさらなる成長を期待したい。

<TEXT/中村清志>

【中村清志】
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan

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