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世帯年収1000万円弱でも生活は苦しい…“底辺マンション”の清掃員として働く38歳主婦の嘆き

日刊SPA! / 2024年10月26日 8時53分

世帯年収1000万円弱でも生活は苦しい…“底辺マンション”の清掃員として働く38歳主婦の嘆き

※画像はイメージです

 会社や役所、駅、学校のトイレで清掃員を見かける。小便、大便をしたり、ごみを出すのは人が生きていくうえで極めて大切で、最も基本的なこと。だが、新聞やテレビ、雑誌ではその最前線にいる清掃員を大きく報じることは少ない。
 今回は、マンション清掃の現場でパート社員として働く女性に取材を試みた。マンション清掃は、大きく2つに分けられる。1つは、大型マンション。この清掃会社では8階建て以上で、住居は40室以上がその対象となる。

 もう1つは、それよりも小さなマンション。大型のマンションには、1日につき2~3人の清掃員が関わる。小さなマンションは、通常は1人。業界では、「1人現場」と言われる。今回の取材対象は、この1人現場に勤務する女性となる。

◆ごみの分別ができていないマンション

 午前5時50分、都内北部にある3階建てで、50室のマンション。ほとんどの部屋の家賃が10万円前後で、独身者が多い。周囲は住宅街で、静まり返っている。パート社員の東谷陽子(仮名・38歳)が自転車で到着する。自宅は、ここから自転車で5分程にある。

 東谷の勤務は、午前9時までの3時間。時給は1500円。月、火、木、金の週4日。これらは、市のごみ収集日であるので勤務日となる。月給は平均7万円。まず、マンションの横にあるゴミ庫からごみ袋を出して、市の収集車が取りやすいように並べる。住人が出すごみ袋は多い日で40袋ほど、少ない日は20袋ほど。

 分別ができていないごみ袋を並べても、収集車は持っていかない。たとえば、燃えるごみ袋の中に、ペットボトルや缶、ビンが3~5本入れてある。これらの中にティッシュペーパーやお菓子がつっこんであった。

◆世帯年収1000万弱でも苦しい生活

 東谷が取り除くのだが、1本につき数分はかかる。急いで割り箸を入れて、ティッシュペーパーをほじくり出さざるを得ない。ゴミ庫の前での作業になるので夏は汗が吹き出し、冬は寒さのため、手がかじかむ。

「中学2年の息子と小学5年の娘がいて、いずれも私立に通っています。夫は、中堅の出版社に正社員として勤務し、月給は50万円前後。賞与は、年間で毎月の給与の約6か月分になりますが、数年前に購入した自宅や車のローン、2人の子の養育費や今後の学費、夫の両親へ送る仕送り、貯蓄を考えると、この収入では生活が苦しい。私は個人事業主としてウェブデザイナーを自宅でしているのですが、月に平均5万円程の収入にしかならない。私や子どもたちの小遣い稼ぎにでもなればと思い、2年前からここで働いています」

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