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半グレの恐喝、薬物や賄賂。裏社会の取材で学んだ“生きるヒント”とは

日刊SPA! / 2024年10月29日 15時53分

キャバクラに行くのも先輩に連れていかれるのが年に一度あるかないかですね。仮に行くことがあってもキャストと連絡先を交換することはありません。自分からは『ボッタクリキャッチについていってみよう』という企画で行ったくらいで、まず行きません。知人からキャバクラに誘われても『ごめんね、俺は行かないんだ。みんなで行ってきて』と言っています(笑)」

◆幸せとは「日常の中にある、安心と信頼だ」

ここまで達観している人間は、なかなかいないだろう。

「欲望って、“瞬間最大風速”を求めるんです。例えば、薬物は“幸せの前借り”と言われています。やってるときは楽しいけど、薬が抜けた後はメンタル的にしんどいので。若い頃はすぐにリカバリーできるけど、年を取ってくると辛くなってきます。『今までの幸せを取り戻そう』と、薬の量を増やしてドツボにはまっていく……。

僕も若い頃は『もっと楽しいもの』を求めて、薬物のような欲望ばかり求めていました。でも、20代前半ぐらいで終わりましたね」

草下さんは「幸せ」とは何なのか、気づいたことが大きいという。

「幸せとは、激しくて鋭い“欲望”を叶え続けることじゃない。実は日常の中にある、安心と信頼なんです」

そして、若い頃にさんざん欲望に触れてきた経験から「学生時代に遊びたくても遊べなかった人は、注意した方がいい」と警鐘を鳴らす。

「そういう人の中には、40歳や50歳になって時間やお金に余裕ができて、若い頃に得られなかった“欲望”を取り戻そうとして、おかしくなる人がいるんです。本当なら、年齢に合わせて欲望の方向を変えていかないといけないのに……。

だから、若い頃に遊んでおいた方がいいですよ。欲望は年齢とともに変化していきますが、年相応の欲望に向き合って、うまくバランスをとる練習をしていきましょう。そうすれば、無理なく死んでいけるんじゃないかな」

◆「誰かの生きる希望になれるかも」

草下さんは現在、46歳。

「自分は残りの人生であと何ができるのかなって、考えるようになりました」

その欲望は現在、“創作”に向いているという。連載漫画関係の仕事は9本になりそうで、忙しくなりそうだと話す。これには、ある事件もモチベーションになっているのだとか……。

「先日、女子高生2人組が飛び降り自殺をしたんです。片方の子は僕が編集として携わっているSNS漫画『地元最高!』のファンで、そのコラボグッズが欲しいとSNSに投稿していました。その投稿から数日後に亡くなったんです。若い読者が亡くなってしまうことにショックを受けましたね。

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