「降りろバカヤロー」停車中に中国人男性2人に囲まれてパニック急発進。殺人未遂に問われた被告人の真相
日刊SPA! / 2024年10月29日 8時53分
Cさんに衝突した直後、Bさんにも衝突。Bさんがボンネット上にうつ伏せの状態で身を乗り上げたまま、176メートルも走行したところで、転落。この時、最大で時速約64kmものスピードだったという。そのまま、Aの車は走り去っていった。
これよって、Bさんは右ひざを骨折するなどの全治2か月の重傷。Cさんも、左ひざを打撲するなど全治1週間の傷を負った。検察側は、AがBさんに対して殺意をもって車を発進させたとする殺人未遂と、Cさんに対する傷害罪で起訴。
しかし、Aは起訴内容の一部を否認。弁護側も、Aは交通トラブルになっていたことに気づかず、Bさんらは事件当時「降りろ」など威迫してきたことから、被告人が「ヤクザ」などと勘違いし自身を防衛しようしたところ、誤って過剰な防衛行為をしてしまった「誤想過剰防衛」で減刑を主張した。
一方で、検察側は冒頭陳述で、Bさんらは「Aを威迫するほどの大声を発してはいない」と述べた。
◆ドライブレコーダーには被害者の怒号も…
だが、筆者は被害者のどちらかが大声で「降りろ、バカヤロー」と言っていたのをはっきりと耳にした。
それは、初公判での証拠調べの時だ。証拠として、中央車線に停まっていたタクシーのドライブレコーダー映像が提出され、法廷内の大型モニターに映し出された。
そのドラレコ映像には、右車線に赤信号で停まっているAの車と、その後ろに続いてBさんとCさんの車が停車。停車してすぐ、BさんがAの車の運転席側にまわってドアをガチャガチャ、「降りろ、バカヤロー」という声が聞こえた。数秒後、Cさんも運転席側にまわってドアノブを引いていた。
なお、ドラレコ映像の最後には、Bさんをボンネットに乗せたAの車が逃げ去る様子も。タクシーの車内から「なにアイツ、気狂ってんの」という男の声が聞こえ、まさに映画のワンシーンのようだった。
◆Cさんは被告人を「薬物を使った人なのかと…」
第2回・第3回公判では、検察側が請求したBさんとCさん、目撃者Eさんの証人尋問が行われた。
BさんはAに対して「降りろ、とは言っていない」と証言。さらには、事故があったことを説明して車から降りるように説得していたという。
「私は、日本語で『事故が起きましたので降りて下さい』と言いました」
Cさんも「降りろ」などと命令する言葉を発していないといい、Aは横に手をふって降りないというジェスチャーをしていたと語る。事故当時はAの不審な挙動から、「私は、お酒を飲んだ人なのか、薬物を使った人なのだろうと思いました」とも振り返った。
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