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「降りろバカヤロー」停車中に中国人男性2人に囲まれてパニック急発進。殺人未遂に問われた被告人の真相

日刊SPA! / 2024年10月29日 8時53分

 これに反して、Aらの隣の車線で事件を目撃していたEさんは、当時のBさんの様子を「少し怒ったような口調だったと思います」と証言。

 終始怒っている様子ではなかったようだが、「窓を開けろ」と大きな声を出していたこともあったとも述べた。

◆被告人はBさんを「ヤクザか半グレなのかなと…」

 第4回公判では、Aの被告人質問が行われた。弁護人は「Bさんが車から降りてきて、どう思った」と質問すると、Aは「とにかく怖かったです」と回答。

 そして、Bさんに窓ガラスを叩かれたため、Aは「次から気をつけます」と言いながら謝るジェスチャーをしたという。ただ、Bさんは怒鳴り続けて前にまわってきたとのこと。

 続けて弁護人は「その人のことはどう見えたか」と聞くと、Aは「ヤクザか半グレなのかなと思いました」と振り返った。

◆Cさんについては「気づかなかった」と主張

 検察側は、交通トラブルの原因を、Aの車線変更の時にBさんの車にぶつかったことだと指摘する。だが、Aはクラクションは鳴らされたものの、衝撃はなにもなかったと話す。

 さらにAは、Cさんを“Bさんの車の同乗者”だと思っており、110番通報していた姿を見て「仲間を呼んでいる」と思い込んでしまったという。パニックになったAは、ボンネットを叩くBさんを避けようとハンドルを切ったが衝突。AはBさんをボンネットに乗せたままアクセルを踏んでしまったのだ。気づいた頃には、Bさんはボンネット上から姿を消していたという。

 他方で、Cさんが逃げようとしたAの車を阻止しようと飛び出してきたことは「パニック状態で気づかなかった」と主張。Bさんを落下させ、そのまま逃走し、羽田空港で彼女と合流した。

◆Bさんの行動には「暴力の危険性」があったのか

 偶然にも中国人同士だからか、「ヤクザ仲間」だと思い込んでしまったA。検察側は、犯行の危険性などを考慮し、懲役7年を求刑。

 一方、弁護側はBさんがAの車線変更の時にアクセル踏んだ可能性を指摘。Bさんの行動には、暴力の危険性が差し迫っていたとして「誤想過剰防衛」を適用し、示談が成立していることなどから、懲役3年執行猶予5年が相当だと結語。Cさんについては飛び出してくることは予想できないとして無罪を主張した。

 次回、10月29日午後3時から判決が予定されている。

文/学生傍聴人

【学生傍聴人】
2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。

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