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スマホの機種変を望んでいた妻を、乗り換えキャンペーンに誘ったら不機嫌に…何が悪かったのか?苦悩する夫の弁

日刊SPA! / 2024年11月5日 8時52分

 長くても2時間くらいかなと予想していましたが、結局なんだかんだで3時間以上。早く帰りたいんだったらパートナーも協力してくれたって良さそうなのに。パートナーは子どもに当たり散らし始めるし、その日は本当に疲れました」

 この話だけを聞けば、Aさん(加害者)のパートナー(被害者)こそが自分勝手なモラハラ人間なのではと思う人も多いでしょう。DV・モラハラを知らない人が素直に聞けば、そう思うのも自然な内容です。

◆パートナーを喜ばせたかったAさんの誤算とは

 しかし、加害者自身からは見えていない視点があるかもしれません。そこで、僕はAさんに質問してみました。

「Aさんのパートナーのニーズは何だと思いますか?」

 すると、Aさんは次のように答えてくれました。

「やっぱり『スマホの機種変更をしたい』じゃないですか?自分で『バッテリーの持ちが悪い』『機種変更したい』って、よくぼやいていたんですから」

「なるほど。では、ニーズが満たされるはずのパートナーが喜んでいないのは、どうしてだと思いますか?」と僕は聞いてみました。

「え?あ、確かに。うーん……」Aさんは沈黙してしまいました。

 僕は質問を変えてみました。

「では、この時のAさんのニーズは何でしたか?」

 するとAさんは「それはやっぱり『パートナーを喜ばせたい』ですね。あと、『お得なこの機会を逃したくない』という気持ちもあったと思います」とすぐに答えてくれました。

 そこで、重ねて聞いてみました。

「では今回、乗り換えキャンペーンの手続きでAさんが満たそうとしていたのは、誰の、どんなニーズですか? せっかくパートナーのためを思ってやっているのに、パートナーがさっさと喜ばなくてがっかりしたり、イライラしたりしていませんでしたか?『俺がお得って言ってるんだから、あれこれ確認しなくてもお得なんだよ』みたいな」

 Aさんは、ハッとした様子で答えてくれました。

「あ……パートナーのニーズではなく、自分のニーズを満たすための行動になってしまっていますね……。しかも、『パートナーを喜ばせたい』ではなく、『パートナーから認められたい』にすり替わっています」

 今回も、以前の記事に書いたケースと同様に、Aさんの行動の目的は残念ながら「パートナーに喜んでもらうこと」から、「パートナーから自分が認められること」になってしまっていました。もっと言えば「(自分の勝手な)計画を達成すること」へと、いつの間にかすり変わってしまっています。

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