やってはいけない「間違いだらけの呼吸法」…改善すると”仕事や生活の質”にも好影響
日刊SPA! / 2024年11月9日 15時51分
選手たちを指導する大貫氏。深い呼吸の習慣化を目的としたサポートデバイスも使用しながら、呼吸の重要性を伝えている
首や腰が痛い、肩こりがひどい、眠りが浅い、尿漏れに悩んでいる……。そういったトラブルの原因が、日常的な“呼吸”に関係している可能性があるかもしれない。「多くの日本人は『きほんの呼吸』ができていない」と警鐘を鳴らす、アスレティックトレーナーで、呼吸の専門家でもある大貫崇氏に「人間本来あるべき呼吸」について聞いた。
◆アスリートでさえできている人が少ない呼吸の基本
「呼吸といえば、腹式呼吸や胸式呼吸を思い浮かべる人が多いと思います。ですが、名前に“◯◯式”とある通り、これらは特別な応用呼吸になります。呼吸の基本ができていないのに、いきなり特別な応用呼吸をやろうとしてもうまくいくはずがありません」
では、呼吸の基本とはいったいどのようなものなのか。
「呼吸の基本はものすごくで簡単で、息を吐き切ってから吸う、を繰り返すだけ。みんな吐き切れていないので、吸えないんです。息を吐き切れば肺から空気が抜けて胸が萎むので、次に吸った時にちゃんと空気が入って吸えます。ちゃんと吐けていない人は横隔膜が動きません。
当たり前だと思うかもしれませんが、この呼吸の基本ができている人はかなり少ない。1900人のアスリートを対象にした研究では、9割もの方が基本の呼吸ができていなかったという結果も出ています。僕自身、専門家を対象に10年以上にわたってセミナー開催してきましたが、やはり9割程度の方が呼吸の基本ができていないと感じました」
◆アスリート向けに呼吸を指導
そんな呼吸の基本を「きほんの呼吸®︎」として広めるべく活動を続ける大貫氏は、アスリート向けの「呼吸最適化プログラム」の監修も行っている。
これは深い呼吸の習慣化を目的としたサポートデバイスの開発を行うBREATHER社と、湘南ベルマーレフットサルクラブの二社間による取り組みの一環として始動したプロジェクト。下手な呼吸による筋肉の無駄使いをやめて、アスリート本来のパフォーマンスを引き出すことが目的だという。
「最初にお話した通り、アスリートでも『きほんの呼吸』ができていない方は多いですが、体感してもらえれば、すぐに変化を感じ取ってくれていると手応えを感じています。
『呼吸最適化プログラム』では、呼吸の重要性をインプットした後、プレウォーミングアップを導入したり、意識的な深呼吸の習慣化を図ったりしています」
◆“きほんの呼吸”のやり方をチェック
アスリートや専門家でさえ呼吸の基本ができない要因を、大貫氏は「肋骨を下げて、しっかり吐くことができていないから」と分析する。
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