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東大生が「103万円の壁は撤廃すべき」と断言するワケ。「学費、生活費を稼ぐ学生」を見捨てるのか

日刊SPA! / 2024年11月17日 15時53分

東大生が「103万円の壁は撤廃すべき」と断言するワケ。「学費、生活費を稼ぐ学生」を見捨てるのか

※画像はイメージです

―[貧困東大生・布施川天馬]―

 みなさんは「103万の壁」をご存じでしょうか。基礎控除と給与所得控除を合わせた金額が103万円で、これを超えると所得税が発生します。パート、アルバイトで働く方が年末になると働き控えを起こす原因です。
 これは1995年に合計103万円に引き上げられて以来、ずっと変わっていないようで、80年代前半には90万円で、その後100万円まで引き上げられた経緯があります。

 40年前は結構頻繁にこの壁が動いていたのですね。逆に、30年近くも前の物価、貨幣価値の基準からずっと動いていないあたりに違和感を抱きます。

◆「103万円の壁」が学生にもたらす弊害

 時には「103万円の壁なんて存在しない」と仰る方もいます。1987年に創設された配偶者特別控除を根拠にしている方が多いようです。

 これはパートナーの所得が年間1000万円を下回る世帯に限り、自らの収入が年間103万から141万までならば、最大38万円までの所得控除が可能になる制度です。

 ただ、これは「大人」にとっての話。学生には関係ありませんし、依然として存在している。正確に言えば、勤労学生控除がありますが、これは130万円までなので、配偶者特別控除による控除額には遠く届かない。

 今年9月に、東京大学の学費が64万2960円に値上げされることが決まりました。物価も上がり、東京の賃料も上昇しており、学費まで値上がったのに、控除の壁は動かない。

 いま「103万の壁」について議論がなされていますが、大学生からしても撤廃されるべきように感じます。東大生にインタビューして分かったリアルな「103万の壁」がもたらす弊害についてお伝えします。

◆103万では自学自弁での大学生活は不可能

 国立大学の学費は53万5800円が一般的ですが、9月に東大が20%増の64万2960円に増やすことを決定しました。

 私はこれを批判してきましたが、国立大学の法人化やそれに伴う逼迫した財布事情を鑑みると、どこかでせざるを得ない決断だったように思えます。問題は、学費が値上がると、一人暮らし学生の暮らしに大きな影響が出ること。

 学費をバイト代で自弁する場合、控除額のうち約64万円の枠を学費のみに充てることになります。通常の控除枠だと残り約39万円、勤労学生控除を考慮するならば約66万円が残ります。ですが、これではとても東京で一人暮らしできません。

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