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<漫画>「夫が突然殺された」女性漫画家に聞く、当時の心境「警察官の鋭い目つきが、まるで私を疑っているように感じた」

日刊SPA! / 2024年11月20日 15時53分

――しかし突如として、結婚生活は終わってしまいます。その後の話は、『私の夫はある日突然殺された』(2017年)に描かれていますね。

森園:はい、本当に突然の出来事でした。村崎は気難しいので、何かに行き詰まると苛立つんですね(笑)。事件当時も、私は村崎のそんな様子を察知して、家を出ました。ファミレスなどで時間をつぶして、そのあと帰宅しようと思ったんです。しかし家に戻ってみると、刑事ドラマなどでよくみる「KEEP OUT」の黄色いテープが貼られていて。警察車両に乗せられて、いろいろな詰問を受けました。警察官の鋭い目つきが、まるで私を疑っているように感じました。

◆「自身が殺される」と、はっきりと口にしていた

――村崎さんは、ご自身が殺害されるのを予言していたという話も出てきますが……。

森園:そうですね。事件の犯人は精神科病院に入院歴もある男性だったのですが、そうした方に殺されるというところまで、はっきりと口にしていました。事件の数日前、それこそ村崎がいう「電波」が飛んできたときです。

――不思議な話ですね。村崎さんが亡くなったあと、イタコを訪ねて事件の当時について聞いたと漫画には描いてありましたね。

森園:そうなんですよ。心神耗弱者が犯した罪については原則非公開で裁判が進められることが多いため、遺族といえども教えてもらえないことが多くて。2016年7月23日、ちょうど村崎の7回忌にあたる日に、青森県のイタコさんのもとへ出向きました。イタコさんは、「村崎さんは自分の血しぶきを見ていて、『きれいだな』と思っていた」と言っていて、何となく村崎ならそんなことを言いそうだなと感じました。

――刑事司法の壁に阻まれて情報が出てこないから、ご遺族としては歯がゆい思いをしますよね。

森園:はい、相手方の情報を知る術がないため、苦労しました。実はこれはオープンな場で話したことがないのですが、民事裁判の準備のために探偵を雇ったこともありました。探偵は非常に優秀ですね。そこでさまざまなことがわかり、どのくらいの損害賠償を請求するかなどの見通しが立てられました。結果的には、裁判はせずに示談になったのですが。

◆「どうしてこんなことになったのかな」と…

――村崎さんの死後、彼をよく知る人の寄稿やインタビューをまとめた『村崎百郎の本』(2010年、アスペクト)が刊行されました。そのなかで、高校の1つ後輩である京極夏彦さんが語っているように、学生時代の村崎さんは空手部でならした相当な体躯の持ち主だったようですね。

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