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<漫画>「夫が突然殺された」女性漫画家に聞く、当時の心境「警察官の鋭い目つきが、まるで私を疑っているように感じた」

日刊SPA! / 2024年11月20日 15時53分

森園:そうなんです。上背は日本人男性の平均くらいだったものの、体重も最高で120キロくらいあったのではないでしょうか。最も痩せたときでさえ、100キロは超えてたと思います。もちろん腕力も強い。加害者は凶器を持っていましたが、どうしてこんなことになったのかなと思う気持ちもあります。どこかで、「電波」の予言を受け入れていたのか……今となっては全然わからないですけどね。

――森園先生は漫画家という表現者ですが、事件前後で、ご自身の作風や作家としての主張に変化はありましたか?

森園:うーん、それがないんですよね。もちろんあの事件は私の根幹を揺るがすものであり、さまざまなことを感じました。しかし私の表現がまったく変わってしまったというようなことはありません。ただ、村崎が原作を努めてくれた作品はどれも好きだったので、彼と一緒ににはもう仕事ができないんだなと思うことがあります。

◆「遺族の心のケア」に特化している組織が少ない印象

――翻って、ひとりの犯罪被害者遺族として、さまざまなことを感じたのではないかと思うのですが、そのあたりはいかがですか?

森園:日本にはいくつもの犯罪被害者団体がありますが、遺族の心のケアに特化している組織が少ない印象を受けました。もちろん、犯罪被害者給付金制度などが整備されていて、経済的な困窮を免れるように制度設計されていることは、かつてに比べて前進したと思います。

 しかし、たとえ事件から時間が経ったとしても、遺族の心の傷は容易に回復しません。それぞれの心の傷を抱える遺族にフォーカスしたケアがもう少し検討されるべきではないかと思っています。

 私自身、漫画のなかでも描きましたが、スピリチュアルカウンセラーなどの手を借りたこともあります。事件のダメージが大きすぎて、自力ではカウンセリングに繋がれない人もいると思います。どんな方法でもいいので、オフィシャルな機関がアプローチしてくれる制度があればいいなと感じました。

<取材・文/黒島暁生>

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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