最高視聴率81.4%だった「紅白歌合戦」はオワコン化したのか?過去との比較が不毛なワケ
日刊SPA! / 2024年12月12日 15時54分
ただし、これが紅白のギリギリの判断なのだろう。これ以上、若い世代にウケる歌手を増やすと、高齢者が拒絶反応を起こしかねない。世帯視聴率も今より落ちる。
半面、演歌枠や大人向けの歌をうたう歌手を増やすと、若い世代に観てもらえなくなる。世界に類を見ない超・少子高齢化の中で、全世代に向けた総合音楽番組をつくる難しさだ。
◆日本の人口構成下ではムリゲーという現実
そもそも紅白のような全世代に向けた総合音楽番組は、特殊な人口構成下にある今の日本ではムリゲーなのだ。NHKは年齢を問わず受信料を徴収しているのから、全世代向けの番組にしなくてはならないが、民放はとっくに音楽番組の大半を若い世代向けにしている。前出の『ミュージックステーション』のほか、『with music』(日本テレビ)、『CDTV ライブ! ライブ!』(TBS)、『ミュージックジェネレーション』(フジテレビ)と、みんなそう。
若い世代をターゲットにすると、2020年4月にテレビ界、広告界で標準化された個人視聴率も高くはならない。個人視聴率は視聴者総数のうち、その番組を観た人の割合を表すからだ。数の少ない若い世代は個人視聴率も動かしにくい。
ただし、個人視聴率は観ている人の年齢も分かる。だからコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)なども出る。スポンサーとしては若い世代が観てくれたら、御の字なのである。コア視聴率は4番組とも高い。
紅白は若い世代にターゲットを絞り込んだ番組づくりが出来ない。かといって、テレビ東京が大晦日の夕方から放送する『年忘れにっぽんの歌』のような中高年に狙いを定めた歌謡番組にするわけにもいかない。別に紅白の中身を貶めるつもりはないが、特殊な人口構成下にある現代の日本では、紅白はもうムリゲーなのだ。<文/高堀冬彦>
【高堀冬彦】
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員
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