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大量閉店「サンマルクカフェ」が陥った“想定外の事態”。地方と都市部で異なる課題に苦しむハメに――ニュース傑作選

日刊SPA! / 2024年12月15日 8時45分

大量閉店「サンマルクカフェ」が陥った“想定外の事態”。地方と都市部で異なる課題に苦しむハメに――ニュース傑作選

slyellow - stock.adobe.com

2024年、反響の大きかった記事からジャンル別にトップ10を発表。企業や業界の実態から2024年を振り返る「経済ニュース」部門、第5位の記事はこちら!(集計期間は2024年1月~10月まで。初公開2024年3月30日 記事は取材時の状況、ご注意ください) *  *  *

経済本や決算書を読み漁ることが趣味のマネーライター・山口伸です。『日刊SPA!』では「かゆい所に手が届く」ような企業分析記事を担当しています。さて、今回は株式会社サンマルクホールディングスの業績について紹介したいと思います。

サンマルクHDは「サンマルクカフェ」や「鎌倉パスタ」、「神戸元町ドリア」などを展開するカフェ・レストラン企業です。以前は無借金経営を標榜し、直営店主体でありながら営業利益11%と高い利益率を維持していましたが、コロナ禍では業績が大幅に悪化し店舗数も大幅に減少しました。しかし、現在は不採算店の閉店で収益性は改善しつつあります。サンマルクHDが高利益率を実現した背景や特徴的な戦略、近年の業績についてまとめました。

◆「サンマルクカフェ」と「鎌倉パスタ」が主力

飲食チェーンのなかでもサンマルクHDの歴史は比較的新しく、同社は1989年に株式会社大元サンマルクとして開業しました。「ベーカリーレストラン・サンマルク」1号店をオープンした後、インテリアコーディネイト業にも手を出します。

「サンマルクカフェ」を開店したのは99年のことで、都内に1号店を構えた後、主力事業の一つとして店舗数を増やしていきました。サンマルクカフェは焼き立てパンが売りで、パスタやソフトクリームの乗ったデニブランなど、競合のカフェチェーンより食事が充実している点が特徴的です。喫茶ではなく軽食目的で訪れる客も見られます。2002年には東証二部上場を果たし、翌03年に一部上場へ鞍替えしました(2006年、現社名として再度上場)。

2004年には生麺のパスタと一部店舗で実施しているパンの食べ放題が売りの「鎌倉パスタ」の1号店をオープンし、同業態も主力事業の一つとなりました。2007年には「神戸元町ドリア」、2008年にはフルサービス式カフェ「倉式珈琲店」の1号店を開店しています。

セグメントとしてはサンマルクカフェや倉式珈琲店の喫茶事業、鎌倉パスタや神戸元町ドリア、「バケット」を展開するレストラン事業に分類されており、事業規模はレストラン事業が上回ります。2024年3月期末第2四半期の段階で全社774店舗を展開し、主力は309店舗のサンマルクカフェと200店舗の鎌倉パスタです。ほとんどが直営店で運営されています。

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