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「ドラッグストア業界1位と2位の統合」で超大型チェーンが誕生。浮上する商売敵の“意外な正体”とは――ニュース傑作選

日刊SPA! / 2024年12月17日 8時45分

 同社の売上高は食品と家庭用雑貨合わせて36%を占めるのに対し、医薬品と調剤による収入はそれぞれ20%です。一方で各品目の粗利率は家庭用雑貨が29%、食品に至っては19%程度しかないのに対し、医薬品や調剤はおよそ4割です。安く設定した食品と消耗品で集客し、薬で儲けるビジネスモデルであることが分かります。また、北関東地盤の「マルエドラッグ」や、関西地盤の「コクミン」など、M&Aを次々に行っています。会計基準変更の関係から単純比較はできませんが、2020年2月期から24年2月期にかけて次のように拡大しました。

売上高:8,683億円→1兆2,174億円
営業利益:378億円→432億円
全社店舗数:2,012店→2,825店

◆「ウエルシアとの統合」を目指すツルハドラッグ

 ツルハホールディングスは売上高でウエルシアに次ぐ2位の規模です。「ツルハドラッグ」や「くすりの福太郎」など全社で2,653店舗を展開しています。1929年に北海道の旭川で開業した薬局をルーツとし、北海道を起点に全国へと出店しました。そのため23年度末における地域別店舗数は北海道432・東北604であるのに対し、関東甲信越は533、中部・関西は269と少なめです。

 近年でも新規出店を継続し、2020年5月期から24年5月期にかけて事業規模は次のように拡大しました。特に21年5月期は九州・沖縄で展開する「ドラッグイレブン」を子会社化し、同地域で202店舗を取得しました。しかし、地方に店舗数が多いため不採算店も多く、ツルハHD全体で年間50~70店舗を閉鎖し続けています。

売上高:8,410億円→1兆275億円
営業利益:450億円→492億円
全社店舗数:2,150店→2,653店

 ちなみにツルハとウエルシアの両者は2027年までに経営統合する方針です。すでに両者とイオンを含めた3社間で合意しています。ツルハの傘下にウエルシアを置く形ですが、イオンが主導する経営統合です。統合後は5,000店舗・売上高2兆円超の超大型チェーンとなります。ツルハの調剤比率は低いですが、それを除いて考えると、「食品・消耗品の安売りで集客し、薬で利益を出す」構造はウエルシアと同じです。立地も似ており、共通化によるメリットも大きいとみられます。

◆「駅前立地、化粧品比率」が特徴のマツキヨココカラ

 マツキヨココカラ&カンパニーは2021年10月にマツモトキヨシHDとココカラファインが統合し誕生しました。両者とも首都圏・近畿の駅前立地の店舗が多く、化粧品比率が高いという特徴があり、統合のメリットが大きいと考えられます。統合にあたり「美と健康の分野でアジアNo.1を目指す」を標榜していました。23年度末の店舗数は3,464店舗で、マツキヨグループは1,904、ココカラファイングループは1,560店舗です。

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