1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「ドラッグストア業界1位と2位の統合」で超大型チェーンが誕生。浮上する商売敵の“意外な正体”とは――ニュース傑作選

日刊SPA! / 2024年12月17日 8時45分

 ウエルシアと比較すると同社の商品構成は大きく異なります。売上高に対する化粧品の構成比は34%であり、15%のウエルシアの2倍です。食品に関してはウエルシアが2割以上を占めるのに対し、マツキヨココカラ&カンパニーは9%しかありません。化粧品の依存度が高く、同じドラッグストアとはいえ別業態のような構成です。また、マツキヨココカラ&カンパニーにおける医薬品の粗利はおよそ4割ですが、化粧品の粗利も35%であり、両者とも重要な収益源となっています。自社で化粧品のPB商品も開発しています。ウエルシアのように安い食品で客を釣るモデルではないことが分かります。

 統合前のマツキヨとココカラファインは駅前立地・化粧品偏重という特徴もあり、コロナ禍ではむしろ業績が悪化しました。20年3月期と21年3月期の売上高を比較するとマツキヨは5,906億円→5,569億円と減少し、ココカラファインも同様に4,039億円→3,664億円と減少しました。インバウンドがほぼ無くなったことも影響しています。しかし統合後は人流回復のほか新規出店もあり、23年3月期から24年3月期にかけて売上高は9,512億円→1兆225億円と伸びました。

◆コンビニとは違い、立地別で棲み分けが進む?

 地方に地盤を置くチェーンの状況は厳しく、ドラッグストア業界は市場規模が伸び続けるなかでも業界再編を進めてきました。医薬品需要が伸びているため今後も市場は伸びる見込みですが、再編は今後も進みそうです。そのうえでコンビニのように3社が全国で勝負するという形よりは、立地別に分かれていく形になると考えられます。

 地方はイオン主導のもと、ウエルシア・ツルハ系列が勢力を伸ばしそうですが、関西以西は九州地盤のコスモス薬品が抑えています。また、首都圏や近畿の駅前立地はマツキヨココカラ&カンパニーが抑えており、上記のように化粧品という強みを持っています。各社にとって同じ業界内ではなくスーパーやコンビニなどが強力なライバルになるかもしれません。ドラッグストア業界の今後に注目です。

<TEXT/山口伸>

【山口伸】
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください